元校長の“学校アップデート!” №2 新年度の前に立ち上げて!~自発的・自治的な活動の充実~(札幌市 2024-03-07付)
児童会のテーマを新年度になってから決めていませんか。4月に書記局や委員会が立ち上がってから児童会テーマをどうするかを検討し始め、運動会の取組が始まった5月になってからようやく児童会テーマが決まるようでは、子どもたちの生活に根差していない「絵に描いた餅」になりかねません。校長は、前年度中に学校経営方針を提示し、4月1日からは確実に学校経営方針にのっとった教育活動を展開していくようにしています。子どもを中心に据えた学校づくりを目指すならば、児童会テーマも前年度中に決定し、1学期始業式の日から子どもたちが常に児童会テーマを意識した生活づくりに取り組むようにすべきです。
5年生が3学期に学年集会を開いて「どんな学校にしたいか」を話し合い、児童会テーマを決めます。そして、前年度中(6年生が卒業したあと)に校内放送で新年度の児童会テーマを発表し、もちろん常に意識できるように、校舎に児童会テーマを掲示します。
クラブの決め方として「この指止まれ方式」があります。新6年生がクラブを立ち上げ、新4・5年生に呼びかけて一定の条件(三つの異学年の子どもが所属している、□人以上であるなど)を満たしたら成立が認められるという方法です。「卓球を指導できる教員がいないから、卓球クラブをつくることができない」というのは誤りです。クラブ活動のねらいは①共通の興味・関心を追究する②自分たちで運営する③人間関係を深める―の三つなので、技能を高める指導ができる教員がいるかどうかは問わないのです。特に②の「自分たちで運営する」力を育むことが重要です。
どんな委員会にするかを教員が決めていませんか。年度末の反省で「委員会を変えた方が良い」という意見が出なかったという理由で、前年度と同じ委員会を設定していませんか。委員会活動は、子どもたちが楽しく豊かな学校生活をつくるための自発的・自治的な活動です。子どもたちが「どんな委員会をつくりたいか」を考えれば良いのです。新6年生の子どもたちに任せれば、前年度にとらわれることなく、より良い学校をつくるために必要な委員会を知恵を出し合って考えます。そして、自分たちが考えた委員会に入ってもらうため、新5年生にプレゼンテーションし、所属人数の目安を示して所属してもらいます。委員会活動のねらいは、「創意工夫して楽しく豊かな学校生活をつくる」「自主的に活動する」「人間関係を深める」の三つです。
委員会も児童会テーマの設定と同じで、新年度になってすぐに動き出すためには、前年度中に立ち上げることが必要です。
6年生は2学期で委員会を引退し、4年生が3学期から委員会に所属し、高学年としての意識を高め、新年度になってすぐに新しい委員会に所属して全校のために働く楽しさを味わえるようにします。なお、クラブも委員会も①~③のねらいを振り返りの観点にすることが大切です。
北原徹也 (北海道特別活動研究会顧問、元札幌市立平岸西小学校長)
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(札幌市 2024-03-07付)
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