十勝西部３町　部活動移動手段支援　バス運行や燃料代補助　広域連携で保護者負担軽減

（市町村 2024-03-11付）

　【帯広発】十勝西部３町の中学校部活動では合同練習が行われており、各町が移動手段の支援策を講じている。鹿追町、清水町は町所有のバスを運行。新得町は６年度から保護者の送迎にかかる燃料代を補助する。いずれも、部活動の広域連携による保護者の負担軽減を目的とした施策で、子どもたちの持続可能な活動環境づくりにつながっている。

　少子化のあおりを受け、学校単位での部活動の設置やチーム編成が困難を極める昨今、十勝西部３町の中学校では運動部活動２部で連携を図っている。バスケットボール部は鹿追中学校を中心とした拠点校方式、野球部は主に新得町内を会場に合同練習を実施している。

　各町では、少年団活動で練習に励んできた種目が進学先の中学校部活動になく、他種目の部活動に入部していた生徒もいたという。合同部活動の開始によって再入部したケースもあり、他地域との連携によって子どものニーズに応じた活動機会が確保されている。

　広域連携を進める上で、子どもたちの「移動手段」が課題として挙がることが多い。３町は子どもたちの活動を支えようと、町の実情に応じて支援策を講じている。

　鹿追町、清水町は、他町で行われる部活動練習に町所有のバスを運行している。鹿追町は野球部の練習で週２、３回ほどバスを運行し、１週間のうち残りの練習日は保護者らが送迎。週の約半分の送迎を町が行うことで、保護者の送迎負担を軽減している。

　新得町は平成２９年度まで、他校との合同練習に対してタクシー送迎にかかる費用を補助していたが、日常的なタクシーの稼働が困難となり、合同部活動の実施もなかったため、補助を廃止していた。近年、町内外における部活動の合同練習が活発化し、町は６年度から保護者の送迎にかかる車の燃料代を補助するため、当初予算案に５８万円を計上。練習会場までの走行距離や練習の参加回数などから実績を算定し、町内は３分の２、町外は３分の１の割合で助成する。

　３町の教育委員会は社会教育事業の連携などで親交が深く、部活動の地域移行に向けても関係者間の交流会などを開いている。「現状や課題を共有する中で、参考になる話も多かった」との声も上がる。子どもたちが求める活動を持続的に行っていけるよう、知恵を出し合いながら可能性を模索している。

(市町村 2024-03-11付)