七飯町 6年度教育行政執行方針 不登校児支援など推進 練成会グループと連携し(市町村 2024-03-12付)
七飯町教委・與田敏樹教育長
【函館発】七飯町の與田敏樹教育長は4日の第1回定例町議会で教育行政執行方針を説明した。本年度練成会グループと締結した「児童生徒の夢の実現を目指すための連携協定」のもと、教育支援センターに通う不登校児童生徒のサポートのほか、町立学校が緊急時に休校になった場合の模擬オンライン授業訓練に取り組むとした。子どもや保護者の相談に教職員が柔軟に対応できるよう、中規模校以上は学年担当制、小規模校は複数学級によるブロック担任制の実施も検討する。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校経営の充実
校長のリーダーシップのもと、教育課題解決のため、全教職員の創意が発揮できる協働体制の確立に努める。中核となる教員の資質向上においては、渡島教育局や渡島教育研究所、七飯町教育研究所と連携して取り組むとともに、学校経営の改善等に努める。
働き方改革を進めながら、教職員にとって働きがいのある学校を目指すには、地域や保護者の理解と協力が不可欠。中学校区単位でのコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を一層推進する。教員同士の連携を強化し、複数の視点で児童生徒の成長を見守り、併せて子どもたちや保護者の相談にも教員が柔軟に対応できるよう、中規模校以上では学年担当制、小規模校では複数学級によるブロック担任制の実施を検討する。
▼基礎・基本の確実な定着に向けた指導の充実
学習支援員を配置し、児童生徒一人ひとりの学習状況に応じたきめ細かな学習指導を行うことで、全ての児童生徒に基礎・基本の確実な定着と活用する力を育て、誰一人取り残さない教育を目指す。
学力向上には、家庭での学習習慣の確立が不可欠なため、各校において家庭学習の定着に努める。
▼道徳教育の充実
実社会や実生活との関わりを考える中で、命を大切にする心や規範意識を育成する。ボランティア活動や体験的な活動を推進し、自発的な福祉活動や地域に根差した活動を通して豊かな人間性を育てる。
▼いじめ対策の充実
学校に携わる全ての関係者が「いじめはどの子どもにも、どの学校でも起こり得る」という意識を常に持ち続け、いじめの未然防止、早期発見に努める。いじめが発生した際には、いじめを行った児童生徒には毅然とした指導を行い、いじめを受けた児童生徒の立場に立った解決を図る。
▼生徒指導の充実
不登校対策等については、学校と連携し教育支援センター「レインボー」への通級や5年度に締結した「児童生徒の夢の実現を目指すための連携協定」に基づいたオンライン授業の提供、スクールカウンセラーの活用など総合的なサポート体制の充実を図る。
校外生活における児童生徒の安全・安心を確保するため「七飯町生徒指導推進連絡協議会」の活動を支援するほか、定期巡回や子ども110番の家の活用等に努める。
▼学校体育と学校保健指導の充実
生活習慣の改善と併せて、学校体育の充実、生涯スポーツの基礎づくりを進め、健康な身体づくりを推進する。心の教育、性教育、食育、がん教育等の推進を図り、児童生徒の健康意識の向上に努める。
▼特別支援教育の充実
特別支援教育支援員を各学校に配置し、個々の実態や教育的ニーズに応じた適切で一貫した特別支援教育の充実を図る。幼稚園等や町立学校における校種間の円滑な連携・接続のため、教育支援委員会で適正就学に向けた相談・指導の充実を図る。
▼環境教育の充実
町は、ラムサール条約登録湿地のある大沼国定公園や赤松並木など豊かな自然環境に恵まれていることから、それぞれの地域の特性等を踏まえた環境教育の充実を図る。
▼国際理解教育の充実
国際社会の一員として信頼され活躍する人材を育成するため、異文化理解に必要な交流活動等への積極的な参加を推進する。語学教育ではチーム・ティーチングによる英語教育の充実を図る。
▼防災・安全対策の充実
突発的に発生する事件・事故・自然災害等に対処するため「危機管理共通マニュアル」を常に見直す。
「児童生徒の夢の実現を目指すための連携協定」に基づき、災害等によって学校が長期休業を余儀なくされた場合を想定したオンライン授業の提供について、模擬訓練を実施する。
地域における見守り活動、子ども110番の家、不審者情報ネットワーク、コミュニティ・スクール等を活用し、地域ぐるみで子どもたちの安全確保を図る。
▼食育の推進
給食費については、原材料費の高騰によって大幅な値上げをせざるを得ない状況であったが、町からの補助金で本年度は据置できた。7年度以降については値上げが必至の状況であり、給食センター運営委員会で適正な金額を協議する。
▼教育環境の整備について
子どもたちの学校生活における安全・安心を確保するため、学校へのエアコン整備を進める。また、教育施設の安全性・快適性の確保と長寿命化を図る。本年度は、七飯中学校の長寿命化改修工事に着手する。
▼奨学金の利用促進
奨学金利用者の負担の軽減、若年層の町への定住・移住を促進するため「奨学金等償還支援事業」の積極的な利用を推進する。
▼学校図書室の地域への開放について
「地域とともにある学校」を目指し、準備が整った学校から図書室の地域開放を実施する。
▼ICT(情報通信技術)を活用した教育の促進について
高度な情報化時代の到来に当たり、町ICT教育推進委員会等との連携により、教育におけるICT活用の充実を推進する。
▼学用品の購入に対する助成について
物価高騰下における子育て世帯を支援するため、小学校への新入学時に購入が必要な教材等の学用品について、本年度も負担軽減を図る。
▼家庭と地域の教育力の向上
家庭、地域、学校の連携を強化し、子育て環境を充実させるとともに、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を一層推進し、子どもの健全育成と地域社会の連携強化を目指す。
▼ふるさと教育の推進
子どもたちが町に誇りを持ち、希望を抱いて暮らすことができるようにするため、各校の協力を得て「夢のあるまち七飯町プロジェクト」を引き続き開催する。
(市町村 2024-03-12付)
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