北斗市 6年度教育行政執行方針 ジェンダーレス制服 購入費を全額補助 不登校対策へ支援センター(市町村 2024-03-13付)
永田教育長
【函館発】北斗市教委の永田裕教育長は5日の第1回定例会本会議で教育行政執行方針を説明した。新年度から市立中学校に導入するジェンダーレス制服について購入費を全額補助する意向を示した。子ども主体で見直しを進めてきた校則は4月から運用を開始する。不登校対策では児童生徒の支援に向け、校内支援センターの設置を進めていくとした。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼社会で活躍する力を育む教育活動の推進
GIGAスクール構想によって整備したタブレット端末は授業内のほか、臨時休校時や学校間での交流学習、不登校児童生徒へのオンライン授業など幅広く活用されている状況にあるが、子どもたち自らが活用しているという意識が希薄であるため、その効果・検証を行い、さらなる有効活用に努めていく。
道徳教育は自尊意識や自己肯定感、自らのコミュニケーション能力を高め、人を思いやる気持ちを育てていくことが必要。授業内だけではなく自らの目で見ること、体験することで身に付くものであり、保護者、教職員、そして私たちの行動全てが子どもたちの道徳心に与える影響は大きいものであることを理解しなければならない。
体験活動は、成長過程における非認知能力を高める上で非常に重要。教科等横断的な授業との組み合わせによって探究的学習につながるものと捉えているが、限られた授業内だけでは十分と言えないため、社会教育事業や地域の行事など各家庭による取組が必要。保護者や地域の協力をお願い申し上げる。
▼誰一人取り残さない教育の推進
知識だけではなく創造力や発想力が必要であり、一人ひとりの子どもたちの個性や能力を伸ばしていくため、個別最適な指導の充実を図っていく。
各校においては不登校対策マニュアルによって対応しているところだが、不登校となる前の対策が重要。家庭と学校が協力し合い、子どもたちとのコミュニケーションを図ることが大切。子どもたちとの教育相談を定期的に実施するほか、安心して学校生活を送れるよう校内支援センターの設置および充実に努めていく。
不登校児童生徒については、学習保障の観点からも個々に合った学習機会の提供に努める必要がある。オンライン授業、教育支援センター、特認校制度の活用のほか、関係機関との情報共有など、幅広い選択肢を提供していく。
教職員の働き方改革については、学校部活動の地域移行に関する推進協議会を立ち上げ、議論を重ね、段階的な移行を進めていく。
小学校においては教科担任制を徐々に進めている状況。今まで以上に各小・中学校における創意工夫を施すとともに、土曜授業やクラウドネットワークの有効活用など教職員の新たな発想を取り入れながら業務効率の向上を図っていく。
▼教育環境の整備の推進
児童生徒の健康を守り、安全・安心な学習環境を早急に整えるため、7年度までに市内全ての小・中学校に空調設備を設置する。
学校現場におけるジェンダー平等に関する取組については新年度から、市内中学校の制服をブレザー型に統一する。統一制服は、全ての生徒がスラックスを選択できるため冬季の防寒対策や通学時の安全対策にもつながるものである。
妊娠・出産から育児、子育てまで切れ目のない施策を展開する中での一つの方策として、保護者の経済的負担の軽減を図る観点から、当分の間、基本部分の全額を助成する。併せて、校則の見直しを進めているところであり、子どもたちの意見を取り入れた新しい校則は新年度から開始する。
奨学金の貸付制度については、新年度から専修学校の修業年限を見直し、より適正で利用しやすい制度とする。
学校施設はゼロカーボン推進に資する照明器具更新のほか、トイレの洋式化を計画的に行うなど施設のさらなる利便性向上を図っていく。
防災教育については、自助・共助を中心とした防災意識の向上、救命方法、1日防災教室などを積極的に実施し、児童生徒、教職員の防災意識のさらなる向上に引き続き努めていく。市の津波浸水想定区域の拡大による対象区域内の学校においては、詳細な避難計画を現在策定しているところ。通学時間帯における対応など、児童生徒への適切な指導を引き続き行っていく。
学校の統廃合については、全国的な少子高齢化による人口減少を鑑みると喫緊の課題であるが、小規模校の特性を生かした特認校制度を利用している児童生徒が少なくない。学校が果たす地域での役割を見極め、保護者の皆さまや地域の方々からの声に耳を傾けながら、研究・検討を進めていく。
学校給食共同調理場については、調理場の設備や調理機器の老朽化が進んでいるため、予防保全管理を適切に行い、引き続き計画的な施設の改修に努めていく。
また、昨今の景気動向などを鑑み当分の間、市内の児童生徒については従前の学校給食費の額を維持していく。
▼地域の教育力向上と生涯学習
3年度からの読書の通帳事業が小学生を中心に好評であり、幼児や高齢者にも浸透していることから、さらなる工夫を図りながら引き続き事業を実施していく。図書ボランティアジュニアサポーターについても増加傾向にあり、中学生が自ら読み聞かせを行うなど積極的な参画も見られ、利用者目線による図書館運営に引き続き努めていく。
(市町村 2024-03-13付)
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