札幌市教委　心の健康観察アプリ　６月から本格運用開始　２２日に教職員向け説明会

（札幌市 2024-05-10付）

　札幌市教委は、全市立学校に導入する心の健康観察アプリを「シャボテンログ」に決定し、６月から本格運用する。児童生徒が毎日入力する心と体の状態をもとに、いじめの未然防止や早期発見に役立てることがねらい。５月中に、各学校でアプリの登録作業や試験運用を行うこととしている。２２日には、アプリの運用やデータの分析方法などに関する教職員向けの説明会を開催する予定だ。

　３年に市立中学校で発生したいじめ重大事態を受けた再発防止策の一つ。４月上旬に行われた一般競争入札によって、スタンドバイ（株）（東京）が提供する「シャボテンログ」を全市立学校の１人１台端末に導入することが決まった。

　市教委は昨年１０月からことし３月まで、文部科学省「いじめ・不登校等の未然防止に向けた魅力ある学校づくりに関する調査研究」を受託した同社の協力を得て、小・中学校４校にシャボテンログを試行導入し研究実践を進めていた。

　モデル校の成果を踏まえ、市全体でいじめの未然防止や早期発見に役立ててもらう考え。

　心や体の健康状態について、児童生徒が選択肢の中から適切なものを選び毎日入力。各学校は、その情報をもとに児童生徒の細かな変化を把握し、見守りや声かけ、教育相談などの支援につなげていく。

　また、市教委が毎年度実施している「悩みやいじめに関するアンケート調査」への回答を、紙から同アプリに移行する考え。今後詳細を固め、周知する予定だ。

　各校での登録作業や試験運用を経て、６月に運用を開始する。児童生徒の発達段階に応じて、一部の学年のみで運用することも可能。夏季休業期間以降は、全学年で運用することとしている。

　アプリの効果的な活用に向けて、５月２２日、８月、来年３月の３回にわたりオンライン説明会を開催する予定。アプリに蓄積されたデータの分析方法などについて理解を深めてもらう。

(札幌市 2024-05-10付)