発寒東小など２校で生成ＡＩ　リーディングＤＸ校に　札幌市立中央小など４校

（札幌市 2024-05-13付）

　札幌市立中央小学校、中央中学校、発寒東小学校、西陵中学校の４校は、前年度に引き続き、文部科学省のリーディングＤＸスクール事業に採択された。うち中央小と発寒東小は生成ＡＩパイロット校を兼ねている。５年度は、各校でＩＣＴを活用した授業改善や校内研修、他校との交流、端末の持ち帰りなどを推進。６年度も市内や全国をけん引する実践に取り組む予定だ。

　事業は、１人１台端末の標準仕様に含まれている汎用的なソフトウエアとクラウド環境を十全に活用した取組を通して、児童生徒の情報活用能力の向上を図りつつ、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実、校務ＤＸを推進し、全国に事例を展開するもの。５年度から始まった。

　初年度、札幌市からは中央小、中央中、発寒東小、西陵中が採択され、各校や中学校区で実践を積み重ねた。

　５年度の取組をみると、中央小は、埼玉県久喜市立久喜小学校とのオンライン協働学習を推進。それぞれの地域の違いや特色などを切り口に、児童自身が「他者から“学びたい”」「他者に“伝えたい”」という思いを引き出す授業デザインを取り入れた。

　中央中は、生徒の学びの過程を記録し「学習ログ」として活用する授業、生成ＡＩとの付き合い方に向き合わせる授業実践などに取り組んだ。

　パートナー校の中央小と連携した取組として、９年間を見通した「情報活用能力育成指標」、学習に役立つウェブサイトや資料をまとめた「デジタルお道具箱」などを作成した。

　発寒東小は、クラウド環境を生かした校内研究組織の運営や他校との交流を推進。西陵中学校区児童会・生徒会合同のグーグルクラスルームを作成し、児童生徒同士や教職員間の交流を活発化させた。

　西陵中は、学習のまとめを共有できるアプリやデジタルカメラを活用したグループ学習を推進し、札教研事業の研究集会で授業実践を公開した。

　このほか、クラウド上でワークシートを送受信できるアプリを授業で活用するなどして、授業中だけではなく家庭でも端末を使って学習に取り組む意識を醸成した。

　現在、各学校や市教委で６年度の事業計画を検討しており、今後具体的な実践を開始する予定だ。

(札幌市 2024-05-13付)