札幌市教委 5年度悩み等アンケート いじめられた11・8%1.5万人 「誰にも相談しない」減少傾向
(札幌市 2024-05-14付)

悩みやいじめアンケ
「誰にも相談しない」と回答した子どもの割合の推移(クリックすると拡大表示されます)

◆相談意義等指導へ

 札幌市教委は、5年度悩みやいじめに関するアンケート調査の分析結果をまとめた。「今の学年になってからいじめられたことがある」と答えた児童生徒は、11・8%の1万5576人に上り、前年度より1ポイント上昇した。自分がいじめられたら「誰にも相談しない」と回答した児童生徒は減少傾向にあるものの、理由として「家族に心配をかけたくない」「自分で解決したい」などが高い傾向を示していることから、市教委は引き続き相談の仕方や意義についての指導を充実させる考えだ。

 調査は、児童生徒の実態や各校の取組状況をより適切に把握し、いじめ問題の早期発見、対処の取組に資することを目的に平成18年度から実施している。

 5年度は、市内の小・中・高校、特別支援学校計311校の児童生徒13万7325人を対象とし、昨年11月に調査用紙を配布。96・4%の13万4433人が提出した。

 「今の学年になってからいじめられたことがある」と回答した児童生徒は、全校種を合わせて1万5576人。内訳は、小学校が1万4366人、中学校が1185人、高校が25人で、校種が上がるにつれて減少する傾向が表れている。

 「ある」と答えた児童生徒にいじめの内容を尋ねた設問をみると、全ての校種で「悪口」が最多となり、小学校で52・7%、中学校で62・9%、高校で48・0%だった。

 このほか、高校では「仲間はずれや無視」(44・0%)、「メール・ネットでの中傷」(28・0%)が多い特徴が見られた。

 「自分がいじめられたら、誰に相談するか」との設問では、小・中学校では「家族」が最多で、小学校が80・0%、中学校が66・6%。一方、高校では「友達」が最多の69・2%となり、家族に相談する割合が小・中学校より低くなっている。

 「誰にも相談しない」と回答したのは小学校で5・8%、中学校で9・5%、高校で5・8%。過去9年間の推移をみると、全校種で減少傾向にある。

 相談しない理由を聞き取った結果、「自分で解決したい」(小学校32%、中学校36%、高校34%)、「家族に心配をかけたくない」(小学校20%、中学校15%、高校6%)が高い傾向を示した。

 また「相談しても改善できない」が小学校で7%、中学校で14%、高校で15%となっており、校種が上がるにつれて増加している。

 市教委は今後も、相談窓口を周知するなど、気軽に相談できる体制を整えていく考え。

 特に、スクールカウンセラー(SC)については小学校での配置時間が拡充されることを踏まえ「子どもにとってSCが身近な相談先の一つとなるような取組が必要」としている。

(札幌市 2024-05-14付)

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