札幌山の手小・山の手南小 命をつなぐ川見守って ヤマメの稚魚を観察
(札幌市 2024-05-15付)

道技コン稚魚観察会

 札幌市内の琴似発寒川でヤマメに着目した環境教育を実践している山の手ヤマベ里親の会(二本柳健司会長)が11日、春の稚魚観察会を実施した。昨秋の遡上・産卵観察会に引き続き開いたもので、札幌市立山の手小学校、山の手南小学校の児童約20人が参加。子どもたちは講師の話を聞いたり、川を観察したりして野生のヤマメがたくさん生息していることを学んだ。

 同会は、山の手地区の小学校と共同で設立した団体で、15年以上、ヤマメの飼育と放流を通じて子どもたちへの環境教育を行ってきた。

 しかし、同会に協力している(株)北海道技術コンサルタント(札幌)の渡邊恵三河川部部長(札幌市環境保全アドバイザー)や国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所の長谷川功主任研究員、佐橋玄記研究員、札幌市豊平川さけ科学館の中村慎吾氏との話し合いの中で「琴似発寒川には自然再生しているサクラマス(ヤマメの成魚)がたくさんいる」「放流した稚魚がもともとの自然に影響していることは間違いない」との結論に至り、令和4年12月に稚魚放流を中止することを決定した。

 この日は、昨秋の遡上・産卵観察会で確認した産卵床からふ化した稚魚を観察する会として実施。山の手地区の小学校2校の児童約20人が琴似発寒川の河川敷を訪れた。

 観察会では、渡邊氏らが開会前に採捕して水槽に入れたヤマメや、流れが緩やかな場所で泳ぐヤマメの観察を行った。

 子どもたちは「こんなにたくさんのヤマメがいるなんて知らなかった」「一生懸命泳いでいるヤマメの赤ちゃんを応援したい」などと話し、自然との触れ合いを楽しんだ。

 最後にパネルを使ってヤマメの生態や同河川におけるサクラマスの産卵場所などについて説明。長谷川主任研究員は「放流しなくても川が育てたヤマメがたくさんいる。これからも琴似発寒川の野生のヤマメを見守っていこう」と呼びかけた。

 また、渡邊部長は「琴似発寒川にはサクラマスが海から遡上し、秋に産卵する。冬に卵はふ化し、春にはこうしてたくさんの稚魚が泳いでいる。命をつないでいる川と、その川が流れるまちを大切にしてほしい」と話した。

 同会では、9月にサクラマスの遡上・産卵の観察会を予定している。

(札幌市 2024-05-15付)

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