札幌あやめ野中　全校道徳　信頼できる大人に相談　いじめ等防止へ人権教室

（札幌市 2024-05-09付）

あやめ野中人権教室

　札幌市立あやめ野中学校（大髙雅子校長）は４月２６日、全校道徳においてインターネット上の情報モラルの重要性を学ぶ人権教室を実施した。札幌人権擁護委員協議会こども人権委員長を務める日下部憲一氏が、ＳＮＳをきっかけとしたいじめや、ネットによる性被害の防止に向けて意識を高めるよう訴えた。

　同校では、年度当初のＳＮＳによるいじめ防止をはじめ、夏季休業明けには自殺防止をテーマにした講演を実施するなど、年間を通じて人権教育に力を入れている。

　今回は、ネットに関するルールやマナーを理解し適切な利用を呼びかけるとともに、ネットに起因するトラブルや犯罪が身近にあることを認識してもらおうと企画した。コロナ禍が明けたことで、大人が一体となって生徒を見守る環境を強化しようと、保護者や地域住民らにも参加を呼びかけた。

　この日は、全校生徒約２６０人をはじめ、東月寒地区町内会連合会の嶋田勝美副会長や東月寒まちづくりセンターの筒井大介所長、保護者らが参加した。

　日下部氏は、旭川市で発生したいじめ事案に触れ、スマホが凶器になり得ることを示し「他人事ではなく、自分たちの問題として向き合ってほしい」と呼びかけた。

　ＳＮＳが原因のいじめや、オンラインゲームから性被害に巻き込まれる事例の動画を紹介し「勇気を持って一歩踏み出し、身近にいる信頼できる大人に相談してほしい」などと説いた。

　生徒たちは、授業後のアンケートで「スマホを持ち始めたばかりなので、これから気を付けたい」「現実味があって考えさせられた。教わったことを常に心がけて使いたい」と答え、ＳＮＳの安全な使い方を学んだ。

　嶋田副会長は「毎年実施することが、いじめ防止の意識強化につながる」と述べた。

　参加した保護者は「こうした講演会を聞くことができるのは良い機会」と話した。

(札幌市 2024-05-09付)