札幌市子ども未来局が事業開始　ヤングケアラーを支援　対象世帯訪問し家事等援助

（札幌市 2024-06-25付）

　札幌市子ども未来局は本年度、ヤングケアラーがいる世帯に対する訪問支援事業を開始した。訪問支援員が対象世帯の家事や育児、家族の世話などを援助し、ヤングケアラーの負担軽減などを図る。

　ことし４月に施行した改正児童福祉法で、家事・養育に係る援助や子育てに関する情報提供など必要な支援を行う「子育て世帯訪問支援事業」が新設され、各市町村での実施が努力義務となった。

　札幌市では、この方針に基づきヤングケアラー世帯訪問支援事業を開始。ヤングケアラーがいる家庭を訪問支援員が訪問し、家事・育児等を支援するとともに、不安や悩みを傾聴することによって、家庭環境を整え、ヤングケアラーの負担を解消・軽減することを目的としている。

　訪問支援は、障がい児通所支援や障がい児相談支援などを行う事業所に委託して実施。２１日現在、４事業所と契約している。

　主な支援内容は①家事援助②育児援助③その他の援助―の３点。全て無料で行う。

　①では食事の準備や片付け、衣類の洗濯、掃除・整頓、生活必需品の買い物への同行などを行う。

　②では授乳・食事の手伝い、おむつ・衣類交換、沐浴・入浴介助、保育所等の送迎などを実施。

　③では世帯員の通院の付き添い、必要な手続きのサポートのほか、ヤングケアラーの負担軽減につながる援助・情報提供・助言を行う。

　利用期間は原則３ヵ月以内。１週間当たり２時間を限度としている。

　各区健康・子ども課の相談支援や、関係機関からの相談・情報提供などを踏まえ、支援が必要と認める場合、対象世帯に対し事業の趣旨や支援内容を説明する。

　市は今後、対象世帯への働きかけを本格化させる考え。

(札幌市 2024-06-25付)