５年度児童虐待対応状況　速報値　３９８件増の２６２７件　札幌市　一時保護は９９９件

（札幌市 2024-06-26付）

　札幌市児童相談所は、５年度の児童虐待対応状況（速報値）をまとめた。虐待被害を認定した件数は、前年度比３９８件増の２６２７件。現在の算出方法となった平成２６年度以降、最多を記録した。保護者から一時的に子どもを引き離す一時保護は９９９件に上った。

　被害認定した２６２７件の内訳をみると、心理的虐待が最多の１３４９件で前年度より１０８件増加した。

　次いで、身体的虐待が６６３件（１４３件増）、ネグレクトが５７６件（１３２件増）、性的虐待が３９件（１５件増）となっている。

　一時保護の措置を講じたのは９９９件となった。虐待を理由とするケース、家出や非行の恐れがある１８歳未満の子どもを保護者から一時的に引き離す措置。児相が運営する一時保護所で受け入れるほか、里親や児童養護施設に委託する場合がある。

　一時保護所への受け入れが４５３件、民間施設や里親への委託が５４６件となった。

　市児相は、児童虐待への市民の関心が高まり、通報が増えていると分析。一件一件の通報に対し積極的に対応するとしている。

　元年に当時２歳の女児が虐待によって衰弱死した事件から５年を迎えた。市は、７年度に予定している第２児童相談所の開設に向けて担当部長を配置するなど、対策強化へ準備を進めている。市内東側エリアの支援充実、一時保護所の定員増などに期待を寄せている。

(札幌市 2024-06-26付)