札幌柏中 被災地の現状知る 震災の記憶継承へ議論 「福島の復興」出前授業
(札幌市 2024-10-03付)

復興庁出前授業

 札幌市立柏中学校(佐野友美校長)で9月26日、「福島の復興」をテーマとした復興庁の出前授業が開かれた。1年生約140人が参加し、東日本大震災の復興が進む一方、いまだ避難先から帰れない人がいるなどの現状について理解を深めた。その上で、震災の記憶を若い世代に伝えていくための方法について活発に議論した。

 出前授業は4年度から実施しているもの。東日本大震災の発生から10年以上が経過した福島県の現状を伝え「福島の復興はどれくらい進んでいるのか」「震災を風化させないためにはどうすべきか」「どうすれば風評被害を払拭できるのか」など、復興の取組について理解を深めてもらうことを目指している。

 柏中では、震災以降に生まれた1年生を対象に実施。同庁の末満章悟参事官が来校し、震災の概要や復興の現状を伝えた。

 震災から10年以上が経過し、福島県では空間中の放射線量や避難指示区域の減少、生活環境の整備などの復興が進んでいる。

 一方、帰還困難区域はまだ309平方㌔㍍残されており、2万5959人が現在も避難を余儀なくされている。

 福島第一原子力発電所事故の影響による風評被害も完全には払拭しきれていない。末満参事官は「福島の今を知り、正しい知識を身に付けてほしい」と震災の記録と記憶を伝えていく意義を話した。

 これを踏まえ「東日本大震災のことを経験していない世代に伝えていくために、最も効果的だと考える方法」を考えるグループワークに移った。

 生徒たちは「震災はまだ終わっていない。今なお続く被害について出前授業などを通して伝えていくのはどうか」「実際の映像などを使って震災の恐ろしさを知ってもらいたい」「実際の被災者に経験を話してもらい、自分事として捉えられるようにしよう」など多彩なアイデアを話し合った。

 参加した茂木結愛さんは「今まで、自分が生まれた年に起きた災害という印象しかなく、具体的な被害の大きさは知らなかった。今も入れない区域があり、帰れない人がいると知って驚いた」と感想を話した。

(札幌市 2024-10-03付)

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