札生総連 幌西小で教育研究大会　手応えでつなぐ学びへ　子ども目線で学習構成想定

（札幌市 2024-10-04付）

　札幌市生活科・総合的な学習教育連盟（札生総連、大宮健一委員長）は９月２５日、札幌市立幌西小学校で教育研究大会を開いた。研究主題「自分の学びを実感し、未来を拓く子どもの育成」のもと、生活科部会の授業を公開。子ども目線で想定した学習構成について研究の成果を披露した。

　前次研究「手応えのある学びの実現」を踏まえ、本年度は研究副主題を「手応えでつなぐ学び」に設定。子どもが学びに手応えを感じられるよう、評価規準の精緻化と弾力的活用、教材分析と活動の構成、問いの在り方、深化変容させる捉え直しの考察について研究を進めてきた。

　大会では、同校の明石好未教諭が指導する２年生の生活科「幌西スマイルたんけんたい」の授業を公開。

　児童は１学期に「まち探検」を通して地域の良さを伝える「幌西スマイルマップ」の作成に取り組んだ。

　本時では店員への取材などから「店の良さの中で何を一番伝えたいか」を整理するため、学級の友人に伝える「一番」をハートやスマイルなどのマークや吹き出し、線などを使って可視化する活動を展開。「思いやり」「スマイル」「感動」「一生懸命」と分類することで思考を働かせた。

　児童は個人思考や友人との協働活動を通して、最も伝えたい内容を表現。地域のパン店が早朝から営業している点に着目した児童は「一生懸命に作ったパンだからこそ、お客さんもおいしいと思えると思う」と話すなど、店員の思いと自身の考えを関連付けて考察した。

　学習の振り返りでは、１人１台端末の授業支援ツールを活用。児童は「自分の一番を見つけることができた」「店員さんの思いやりがお客さんのスマイルにつながっていた」などと入力。学びを深める手応えを実感するとともに、地域に対する親しみや愛着を深めた。

　授業後の分科会では「これまでの探検活動の積み重ねが児童の思いや願いにつながっている」「研究ボードに貼った付箋をもとに、線でつないだり、マークを付けたりしながら捉え直しをする点が手応えを感じるきっかけにつながる」などの意見が出た。

　総合的な学習部会の授業公開は１２月に実施する予定。

(札幌市 2024-10-04付)