道教大函館校　地域づくり支援実習　存在意義のある教員へ　せたな町で子や教職員らと交流

（市町村 2024-10-08付）

せたな町内の学校を訪れた学生たち

　【函館発】道教育大学函館校の授業「地域づくり支援実習」を履修する学生４人が９月中旬以降の１０日間、せたな町内の教育施設等を訪れた。町内教育の特色に触れながら、子どもや教職員、地域人材と交流。学生の一人は「特技や長所を生かして、存在意義のある教員を目指したい」と意思を強くした。

　地域づくり支援実習は、観光や教育等に課題を抱える地域を行き先とする地域滞在型のインターンシップ。就業体験を通して、当該地域の振興に必要な実践的能力を身に付ける。

　せたな町内での実習は町教委が主導しており、２年目となる本年度は、各教育施設や学童保育への訪問、社会教育事業の見学、町内生産者との懇話会などを実施。小・中学校で教職員のメンタルヘルスケア面談を行う笹原昌子スクールアドバイザーとの対談など、町内の特色ある取組にも触れながら展開した。

　瀬棚小学校では越前秀一校長が、採用までの過程や教員の仕事に関して説明。「教員として最も重要な仕事は、子ども一人ひとりを、学びを通して育てること」と示し、法令に順守して研修と修養に努める必要性に触れた。自身の経験を踏まえて「転勤に伴って子どもや地域、同僚等との出会いと別れが繰り返されるが、自分の人生を豊かにしてくれる」と説いた。

　また「多様化が加速する時代、学校教育には“唯一解”だけではなく“最適解”が求められる」とし、多様な専門性や経験を持つ資質・能力の高い教職員集団、意見を吸い上げて反映していく学校運営が必要になることを強調。学生に向けては「たくさんの人との出会い、たくさんの経験を通して自分を磨き、自分の強みを増やしてほしい」と呼びかけた。

　このあと、各学年の授業に入って児童たちと交流。低学年の学級では、宝探しやフルーツバスケットなどのレクリエーションを通じて親睦を深めた。

　学生の一人は「子どもたちが想定外の動きをすることも多く、動線をよく考えて行動する必要があると感じた」と振り返った。１０日間のプログラムを通して「地域の勉強をするために入学したが、子どもたちと交流して、教員免許を取りたいと思った」「特技や長所を生かして、存在意義のある教員を目指したい」と教員志望への気持ちを高めた。　

(市町村 2024-10-08付)