稚内市教委 部活動地域移行アンケート 専門の指導者求める声 顧問の負担 9割が「ある」(市町村 2024-10-18付)
【稚内発】稚内市教委は、「部活動地域移行に関するアンケート調査」の結果を公表した。生徒に対する質問項目「今の部活動がもっとこうなったいいのにと思うこと」(複数回答可)の回答では「専門の指導者から教えてほしい」が最多の17%で技術等の向上を求める意見が上がった。一方、「初めての人でも気軽に参加できるような、楽しむことを中心とした活動をしたい」が15%で2番目に多かった。教諭対象のアンケートでは「部活動の顧問について負担に思うことがあるか」に対して、9割が「ある」と回答する結果となっている。
市教委は、中学校の部活動を従前と同様の体制で運営することが難しくなってきていることから、学校と地域との連携・協働により、持続可能な活動環境の整備に向けた検討を進めている。
アンケートは、部活動の地域移行の実施を検討していく上での参考資料とするために実施した。
対象は、市内の小学校4~6年生の児童・保護者、中学校1~3年生の生徒・保護者、中学校教員。回答数は、児童620人、生徒578人、中学校教諭55人(校長・教頭・事務職員を除く)、児童保護者132人、生徒保護者143人となっている。
児童生徒の質問項目では、部活動や少年団などの所属状況、大会・コンクール出場に対する意義、現在の部活動に求めるものなどを設けた。
生徒の回答をみると、部活動の加入者は483人。「今の部活動がもっとこうなったらいいのにと思うこと」(複数回答可)の回答割合は「専門の指導者から教えてほしい」が最多の17%、次いで「初めての人でも気軽に参加できるような、楽しむことを中心とした活動をしたい」が15%、「練習の日数や時間を増やしてほしい」と「試合(練習試合)やコンクール(合同練習会)等の回数を増やしてほしい」が同数で14%、「もっと大勢の人数で活動したい」が13%などとなっている。
「所属している部活動で大会やコンクールに出場することについてどう思うか」では「大会やコンクールに出場して勝利や優勝を目指して頑張りたい」が69%と最も多く、「大会やコンクールに出場するが、勝ち負けにはこだわらずに、試合や発表を楽しみたい」が16%、「大会やコンクールに出場しなくてもいいので、仲間と活動を楽しみたい」が15%となった。
中学校教諭への質問は21項目。部活動顧問の担当状況は「主顧問を担当」が24人、「副顧問を担当」が23人、「部活動を担当していない」が7人、「個人部(引率のみ)を担当」が1人。現在担当している部活動の経験については「経験がない」が26人、「経験がある」が22人だった。
「部活動の顧問について負担に思うことはあるか」では、49人が「ある」と回答。「負担に思うのはどのような点か」(複数回答可)の回答割合をみると「他の業務との兼ね合い」が16%で最多。このほか「平日の勤務時間を超えた活動」「休日の活動や引率業務」がいずれも15%、「専門的知識や指導技術の不足」が13%などとなっている。
◆教員の兼職兼業 「したくない」7割
「地域移行後も兼業兼職の手続きにより指導に従事したいと思うか」の回答では「したくない」が23人、「できれば従事したくない」が16人と、約7割の教員が兼職兼業を望まない結果となった。
このほか「従事したい」「できれば従事したい」は8人ずつとなっている。
市教委では、8年度から休日の部活動を全て地域に移行することを目指している。
今後は、市内の各種関係団体などと協議・検討を進めていく。
アンケート結果については市ホームページで公表している。
(市町村 2024-10-18付)
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