釧路市教委 算数・数学科研修講座 子が解決したい問題を 文科省・島尾学力調査官招き(市町村 2024-10-28付)
全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた算数・数学科の授業公開と研究協議を通して、指導の在り方について理解を深めることがねらい。市・管内の小・中・義務教育学校・大学生114人が参加し、算数・数学科の授業力向上に向けた授業改善について研鑚を積んだ。
授業は午前に釧路小の山野哲子教諭が5年生「変わり方を調べよう」、午後に幣舞中の新谷明日香教諭が2年生「文字を用いた式」をそれぞれ公開した。
うち幣舞中の新谷教諭は2年2組基礎コースで「文字を用いた式」(2時間扱いの2時間目)を公開。
本時の目標を「問題の条件を変えて“〇に入れた整数の和と□に入る整数の和の間で成り立つ事柄”を見いだし、その事柄を数学的な表現を用いて説明することができる」と設定した。
はじめに、前時の学習から「正三角形において、□(辺)に入る整数の和は、〇(頂点)に入れた整数の和の2倍になる」ことを確認した上で、生徒から出された「ほかの図形ではどんな関係になるか」について追求。様々な図形(平面図形や空間図形)に関して具体的な数字を入れて調べることで、〇の和と□の和の関係を探った。
この関係性を説明するため「自分が調べた図形が2倍(3倍)になることを、文字を使って説明しよう」という課題を提示。ペアで試行錯誤しながらホワイトボードに記入したものを黒板に掲示した。「正方形は2倍だが、立方体は3倍になっている」など、結果をもとに共通点や相違点に気付き、平面図形は2倍、空間図形は3倍という結論から、正五角形=2(a+b+c+d+e)や立方体=3(a+b+c+d+e+f+g+h)など、文字を使って説明した。
授業後に行われた講演では講師の島尾氏が2本の授業について、導入や問題把握、見通しや問題解決場面での児童生徒の思考の変化などについて細かく解説。授業のポイントなどを示唆した。
このあと、全国学力・学習状況調査の過去の問題を提示し、どんな誤答が多いかを予想。なぜ間違ったかを探るために、問題と選択肢を提示したり、簡単な問題を設定したりするなど、問題設定の工夫が大切であることを訴えた。
最後に、知識・技能が目標の授業づくりについて考える必要性を強調。正答率、解答類型の反応率から傾向を捉え、報告書や過去調査を参考にするとともに、児童生徒が解決したいと思える問題を設定するなど、今後の算数・数学科の授業改善に期待を寄せた。
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島尾学力調査官による講演
(市町村 2024-10-28付)
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