釧路市鶴野小 6年生キャリア学習 本物から得られる学び 釧路建親会が建設業紹介(市町村 2024-11-01付)
中川さんは砂防事業の目的、内容等を説明
【釧路発】釧路市立鶴野小学校(土居慎也校長)は10月29日、6年生を対象とした「未来への架け橋・総合学習」と題してキャリア教育を実施した。釧根管内の若手建設業経営者で組織する釧路建親会(山下大介会長)が講師役となり、生活を支える建設業の役割を分かりやすく説明し、複数の重機で具体的な作業を実演・紹介。鶴野小を卒業し活躍中の建設技術者2人も講師を務め、進路を決めた理由や仕事のやりがいなどを伝えた。
釧路建親会は高校生を対象とした出前授業を行うなど、建設業の担い手確保に取り組んでいる。令和4年度からは小学校への出前授業も開始。プロジェクト委員会を中心に、建設業について理解を深めてもらうプログラムづくりに力を入れている。
「未来への架け橋・総合学習」には6年生74人が参加。2、3時間目を出前授業として釧路建親会が運営に当たった。
授業は座学と実演紹介の2部構成。開会あいさつに立った山下会長は「楽しく建設業に触れてもらいたい」と、貴重な学びの機会になることを期待した。
座学では白崎建設㈱(釧路市)の白崎喬大取締役社長室長、㈱宮原組(厚岸)の宮原崇成社長らが進行役を務めた。白崎社長室長は「道路や港湾といった様々な施設が、こっそりと私たちの生活を支えている」と、建設業が身近な仕事であることを説明した。また、宮原社長は構造物の耐震補強や橋梁の落橋防止装置を学ぶクイズを出題し、安全で安心な暮らしに欠かせないインフラ施設の重要性を分かりやすく伝えた。
引き続き、鶴野小を卒業し建設業で活躍する技術者が講師に。村井建設㈱(釧路市)の中川健太郎さんと阿寒共立土建㈱(釧路市)の田村陽流さんの2人が講話した。
中川さんは白糠町内で施工中の砂防事業を紹介し、土砂流出を防ぎ、地域の安全を守る仕事を説明した。田村さんは本年度に開通を控える道東自動車道阿寒IC~釧路西IC間の整備工事を解説。子どもたちは中川さんに「水の中でどうやって工事をするの」「出来上がるまでにどれくらいかかるの」と質問。田村さんには「シカ柵は何人で造るの」「どれくらいのお金がかかるの」などと質問し、盛んにノートにメモを取った
さらに田村さんは学年担任の教師から、建設業へと進路を決めた理由を問われ「最初は学校の先生になりたかったが、工業高校に入学し3年の時に進路を決めた」と話した。
実演紹介では、グラウンドに小型バックホー2台、高所作業車、タイヤショベル、トラッククレーン、除雪用車両各1台を搬入。ヘルメット、安全帯、作業用手袋などを用意し、子どもたちの安全確保に万全を期した。
バックホーの実演では、用意した砂をすくい、運ぶ作業を子どもたちに指導したほか、高所作業車では誘導員が付いて子どもたちを昇降させた。また、ドローンで高所からの記念撮影を行った。
土居校長は「子どもたちは、普段何げなく見ている建設機械を目の前にし、触れて、すごく感動した。大きな声が上がるほど、本物から得る学びがあった」と、貴重な機会となった出前授業に謝意を示した。
この記事の他の写真
子どもたちはバックホーの操縦にも挑戦
(市町村 2024-11-01付)
その他の記事( 市町村)
帯広市教委 6年度全国学力等調査 中学校 2教科全国超 校種間連携で授業改善等推進
【帯広発】帯広市教委は6年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。小学校では2教科とも全国平均を下回ったものの、中学校は2教科とも全国平均を上回り、国語で1・6ポイント、数学で0・4ポイ...(2024-11-21) 全て読む
深川市教委と一已中 公開研究会 ICT活用 研究の成果共有 公開授業や講演会 150人研鑚
【岩見沢発】深川市教委と一已中学校(髙杉直人校長)は1日、同校で6年度市教育推進校事業公開研究会を開催した。空知管内教育関係者をはじめ、管外などから約150人が参加。公開授業や講演会を通じ...(2024-11-19) 全て読む
JDMA創造性コンテストで金賞 発電靴で被災者を支援 安平町追分中の生徒3人
【苫小牧発】安平町立追分中学校(三品秀行校長)の2年生3人が、日本デザインマネジメント協会(JDMA)の「創造性コンテスト」で最高賞の金賞を受賞した。災害時に避難所で走り回る子どもや電力不...(2024-11-19) 全て読む
実践的安全教育拠点校の浜中霧多布中 地震・津波から命守る 町の訓練参加や防災小説執筆
【釧路発】浜中町立霧多布中学校(沼田卓二校長)は1日、巨大地震と大津波の発生を想定した1日防災学校を開催した。町の総合防災訓練に参加したほか、災害との遭遇を想定して物語をつづる「防災小説」...(2024-11-12) 全て読む
後志管内初の義務校開校へ岩内町教委 教科指導と探究両輪に 西小と第二中で実践発表会
【小樽発】後志管内初の義務教育学校の8年度開校を目指す岩内町教委などが主催する公開実践発表会が10月31日、岩内西小学校(古館昭仁校長)と岩内第二中学校(庄司真人校長)で開かれた。両校が公...(2024-11-11) 全て読む
部活動地域移行の課題解決へ 北空知で広域モデル検討 11月に地域協議会初会合
【岩見沢発】北空知の1市5町(深川市、妹背牛町、秩父別町、北竜町、沼田町、雨竜町)は、広域連携による部活動の地域移行に向けて検討を開始した。地域クラブの運営や指導者確保などの課題に共同で取...(2024-10-30) 全て読む
帯広市教委 学校適正規模確保計画 小・中9校で検討必要 9年度まで 各学区で説明会
【帯広発】帯広市教委は少子化や児童生徒数の減少を見据え学校規模の適正化を図るため「帯広市立小中学校適正規模の確保等に関する計画(後期計画)」の骨子案をまとめた。後期計画期間の9年度までに検...(2024-10-30) 全て読む
全校に大型電子黒板とAIドリル配備 新機能活用し授業改善 森町教委 推進教員と共に
【函館発】森町教委は6年度、デジタル田園都市国家構想交付金を活用し、全小・中学校に大型電子黒板とAIドリルを配備した。導入から数ヵ月、道教委「新しいかたちの学びの授業力向上推進事業」の推進...(2024-10-29) 全て読む
高木組に感謝状贈呈 上ノ国町教委 町内環境整備で
【函館発】上ノ国町教委は22日、(株)高木組(函館、中田俊一郎社長)に感謝状を贈呈した。町内の広場や上ノ国小学校校庭の整地を行った地域貢献活動に対するもの。上野敦也教育長が新栄隆土木部課長...(2024-10-28) 全て読む
釧路市教委 算数・数学科研修講座 子が解決したい問題を 文科省・島尾学力調査官招き
全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた算数・数学科の授業公開と研究協議を通して、指導の在り方について理解を深めることがねらい。市・管内の小・中・義務教育学校・大学生114人が参加し、算数・...(2024-10-28) 全て読む