実践的安全教育拠点校の浜中霧多布中 地震・津波から命守る 町の訓練参加や防災小説執筆(市町村 2024-11-12付)
防災小説の書き方を学んだ
【釧路発】浜中町立霧多布中学校(沼田卓二校長)は1日、巨大地震と大津波の発生を想定した1日防災学校を開催した。町の総合防災訓練に参加したほか、災害との遭遇を想定して物語をつづる「防災小説」を作成。全校生徒約40人が参加し、地震・津波がもたらす被害の大きさや正しい対策法などを学んだ。
1日防災学校は、災害対策に当たる防災関係機関と協力のもと、地震・津波災害を想定した訓練を通して災害対応力を強化することが目的。町は大津波発生時に危険が予想される地域であり、同校は3年前から地域合同避難訓練を行うなど地域の安全意識向上に尽力している。本年度からは道教委の実践的安全教育モデル構築事業の拠点校として校種・地域間との連携の強化も図った。
はじめに気象庁など災害対策機関との連携のもと湯沸高台避難道路を通る避難訓練を行ったあと、役場へ移動して防災学習。災害対応車両や防災パネル展、防災関連ブースの見学、炊き出し体験などを実施した。
学校へ戻り、道教育大学釧路校の境智洋教授が講話した。地震が発生した時に体育館の中で最も安全な場所などをクイズ形式で紹介したほか、地震が起こる仕組みを解説。実際の地震や津波の映像を上映して見せた。
また、体験や講話の内容を踏まえ防災小説を約1時間かけて作成。設定した日時に地震・津波がくると仮定して、自分や家族など全員が助かる結末のストーリーの執筆に取り組んだ。同じ班や隣の席の生徒同士で話し合い、時に教員や境教授からアドバイスを受けて想像力を深めながら作業に取り組み、各学年の生徒が一人ずつ前に出て小説の内容を発表。災害を「自分事」として捉え、防災に対する意識を高めた。
境教授は「災害は普段の日常で何度も体験するものではないが、きょうは小説づくりを通して一度体験してもらった。今回の経験を生かして、命をつないでほしい」と願った。
2年生の齋藤永愛さんは「講師の方から話を聞いて、授業では学べないことを知ることができた」と話した。
(市町村 2024-11-12付)
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