JDMA創造性コンテストで金賞 発電靴で被災者を支援 安平町追分中の生徒3人(市町村 2024-11-19付)
金賞を受賞した(左から)榊さん、正角さん、畑田さん
【苫小牧発】安平町立追分中学校(三品秀行校長)の2年生3人が、日本デザインマネジメント協会(JDMA)の「創造性コンテスト」で最高賞の金賞を受賞した。災害時に避難所で走り回る子どもや電力不足の課題を結び付け、走るだけで蓄電できるエネルギーシューズを考案。避難者の心理にまで踏み込み、課題を具体的に克服する発想が高く評価された。
同協会は、創造職種経験者や創造系教育機関の教師経験者らで構成し、未来社会をあらゆるジャンルで創造性あふれる次世代人材が活躍し「創造立国」を実現していく一助になればと、令和2年から活動している。
同大会は、創造力豊かな人材の育成を目指し、体験的に創造能力を引き出すきっかけにと準備を進めてきたもので、プレ大会として開催した。
中学校2年生を対象に「あなたの街の災害避難所で役立つ道具」をテーマにアイデアを募集し、26チーム98人が参加。各チームは考案した道具について材料、機能、魅力などを説明した動画を制作した。
審査は避難所で役立つ貢献度、新規性・進歩性、独創性、プレゼンテーション能力から行われ、同校の榊悠汰さん、正角友乃さん、畑田恭士朗さんの「発電シューズ」が見事最高賞の金賞を受賞。「リアリティーがあり、課題を解決につなげている。避難者の行動や心にまで踏み込んでおり、プレゼンテーションも面白く説得力がある」と高く評価された。
同校1班、2班、4班の3チームも佳作に選ばれた。
発電シューズは、北海道胆振東部地震での被災経験をもとに「体育館で長時間横になるため運動不足になりやすい」「子どもが大声を出して走り回り、周囲の大人から注意されている」「停電が続くと冷暖房もスマホも使えず体調不良になり情報も得られない」などの課題の解決策として、足の甲の部分に太陽光パネル、靴底に摩擦帯電型のナノ発電機を取り付け、両方から電力を得られるもので、側面に付けたコンセントから直接電化製品を接続できるよう工夫を施している。
10月22日に同協会の玉田俊郎代表理事らが同校を訪れ、佳作の生徒たちに賞状を、金賞の生徒たちには賞状と金メダルを贈り功績をたたえた。
玉田代表理事は「資源のない日本は人材・人的財産で発展した国。創造性が推進力になった」「21世紀の社会をつくる若い人たちにぜひ世界に打ち勝つ創造力を身に付けてほしい」などと述べ、生徒たちの活躍に期待した。
受賞した3人は、北海道胆振東部地震で避難所生活を経験しており「子どもが走り回って怒られていてどうにかできないかと思っていた」「電気がないとスマホもテレビも使えず全く情報が得られない。冷暖房も効かないのでは体調不良者が出るので、生活する上での行動で電気を起こせたらと考えた」と電源シューズの由来を語り「日常の身近なところからのアイデアの大切さを大会で実感した。今後も機会があれば参加したい」「創造力を働かせる機会はあまりないので、今後授業などでも創造力を広げていきたい」と話した。
(市町村 2024-11-19付)
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