３定札幌市議会決算特別委（１１日）

（札幌市 2024-10-16付）

◆児童精神科病床　北大病院内に設置　精神疾患の子支援

　札幌市保健福祉局の成澤元宏障がい保健福祉部長は１１日の市議会決算特別委員会で、精神疾患などを抱える子どもの支援として、今月から北海道大学病院内に児童精神科専用病床を設置すると明らかにした。

　市は、児童精神科の医療体制の強化に向け、平成２６年度から令和５年度まで北大に寄付講座を設置。児童精神科の専門医４人、児童領域の診療が可能な精神科医を７０人養成した。

　この人材を生かし本年度は、北大病院の既存病棟を改修し専用病床を６床設置する。「児童精神科医の養成における臨床の場としても有益であり、これまで以上により多くの児童が安心して入院治療が受けられるようになる」と期待した。

　入院体制以外の支援についても検討する考え。「児童精神科だけではなく、市内の小児科との連携にも取り組み、子どもの発達の支援を強化したい」と述べた。

　森基誉則委員（民主市民連合）の質問に対する答弁。

◆遅くとも次年度　当初開始目指す　子の自殺危機対応チーム

　保健福祉局の鎌田隼輔精神保健担当部長は、子どもの自殺危機対応チーム事業について、遅くとも次年度当初の開始を目指す考えを示した。

　事業は、自殺未遂や自傷行為など子どもの自殺危機に関する相談支援要請を受け付け、情報収集、リスクの見立て、さらに支援方針の検討等を行い、家庭等の問題も含めた包括的な連携支援の実施について学校や区役所などの支援機関に助言するもの。

　当初はことし１０月の開始を目指していたが、相談受付窓口となる札幌医科大学および北大病院での人材確保が難航しているため、スケジュールを見直し。「早期に人材確保に努めるとともに、遅くとも来年度当初からの事業開始を目指す」とした。

　また１０月から、各大学の既存のスタッフと市教委が連携しながら試行的に同事業を実施している。市内の医療機関、市教委、校長会などの関係者で構成する子どもの命を支える連携体制構築検討検証会議の初会合を８日に開催し、情報共有や協力依頼を行ったと報告した。

　前川隆史委員（公明党）の質問に対する答弁。

(札幌市 2024-10-16付)