札幌太平中 小中合同研修会 意欲的に学び合う生徒 小中一貫教育へ6授業公開(札幌市 2024-10-17付)
札幌市立太平中学校(窪田進二校長)は3日、校区内の小学校の教職員を招いて第5回小中合同研修会を開催した。研究主題「意欲的に学び合う生徒の育成」のもと、6授業を公開。7年度からの札幌らしいコミュニティ・スクール(CS)実施に向けて、小中が一体となった子どもへの指導の在り方を考え合った。
同校と太平小学校、太平南小学校は、7年度からのCSの実施に向け、5年度から各校持ち回りで、授業や子どもの学習態度を参観する機会を設定している。
この日は、1年生と特別支援学級で計6授業を公開し、中学校区内の教職員60人が参観した。
うち1年2組(飯坂美紅教諭、生徒数22人)の技術・家庭科では、窪田校長が加わり、情報モラルの知識を実際の場面でどう対応するべきかを考えさせる授業を展開した。
物語の内容は、主人公の読書感想文が親友にコピー・アンド・ペーストで引用され、両者の文章が似ていることを怪しんだ担任に問いただされるというもの。
窪田校長は物語を朗読し、生徒たちに「親友が主人公の読書感想文をコピペしたことを先生に言うべきか」と問いかけた。個人で考える時間を設けたあと、それぞれ同じ意見を持つグループに分けて意見を練り上げさせた。
生徒たちは「勝手に人の感想文を盗むのは良くないから言うべき」「後悔するから本当のことを言えばいい」「友人関係が壊れるかもしれないし、相手に心の傷が残るかもしれないから言わない」などと話し、対立する意見を発表した。
グループで討議したあと、窪田校長は「意見の異なる相手に対して意見を変えるよう試みてほしい」と提案した。
生徒たちは、反対意見に対して「コピペだと分かる証拠があれば正当性は主人公にあるから言うべき」「正当性よりも友情だ」「言うことで崩れる関係ならそれまで」「モヤモヤを抱え込むことになっても親友を失いたくない」などと発言した。
討議を終えて意見が変わったかを確認したところ、ほとんどの生徒が意見は変わらなかったと回答した。
窪田校長は「同じ意見、近い意見を持つ人同士が集まると、異なる意見を知ることができずに考えが固まる」と指摘。SNSのアルゴリズムを例に、エコーチェンバーの危険性を説き「論破や相手の言葉尻を捉えて反論をするのではなく、相手の話を聞き深く考えることをしてほしい」とクリティカルシンキングに基づく行動を心がけるよう呼びかけた。
このあと、研究討議を開き、児童生徒が意欲的に学び合う授業づくりや、ICTを活用した指導の個別化、授業における学習の個別化を進めるための方策などについて話し合った。
(札幌市 2024-10-17付)
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