札幌市教委　働き方改革表彰式　１１校の創意工夫たたえ　ＩＣＴ活用で校務効率化等

（札幌市 2024-11-25付）

受賞校と市教委の関係者らで記念撮影を行った

　札幌市教委は２１日、市内のＳＴＶ北２条ビルで６年度みんなの工夫で学校を変える働き方改革表彰式を挙行した。受賞校１１校の教職員らが出席。廣川雅之教育次長は各受賞者に表彰状を手渡し、ＩＣＴを積極的に活用した校務の効率化や地域、ＰＴＡの協力を得た教育活動の充実など、若手教職員の工夫あふれるアイデアを反映した取組の成果をたたえた。

　表彰は、市内各校から創意工夫のある取組や改善内容を募集し、優れた事例を各校に普及するもの。３年度から導入し、ことしで４回目を迎えた。

　「事業成果型」「事業提案型」の２部門を設け、本年度は事業成果型で東山小学校など４校、事業提案型で屯田南小学校など７校の計１１校を選出（１３日付８面既報）。表彰の観点として、若手教職員の意見を積極的に反映したボトムアップ型の取組を視点に定めた。

　開会に当たり、井上達雄労務担当部長は様々な課題に対し、工夫を凝らしながら解決しようと、高い意識で取り組んでいる教職員らに謝意を示し、事業成果型の各校に対して「働き方改革の先駆者、教員のワーク・ライフ・バランスを実現する市のロールモデルとしてさらなるアップデートに取り組んでもらえれば」と期待。事業提案型の各校に対しては今後の具体化を期待し「成果型としてあらためてこの場に参加していただくことを楽しみにしている」と呼びかけた。

　授賞式では廣川教育次長が事業成果型部門で受賞した東山小、中央中学校の代表者に表彰状を授与。各部門の受賞校による事例発表では、東山小、中央中、定山渓小・定山渓中学校、屯田南小学校の５校の教職員が登壇した。

　うち中央中では、ポケットワイファイなどＩＣＴ機器の備品管理の円滑化に向けて、紙媒体の記入を廃止。小野竜星教諭は備品に２次元バーコードを貼り付け、スキャンする仕組み「借りるッピ」を開発し、紛失防止に努めていることを周知した。

　屯田南小の中川容一校長は地域やＰＴＡの力を得て働き方改革を推進したことを説明。担任外業務の負担軽減に効果を発揮し、多くの大人が子どもを見守ることで安全・安心かつ地域力を高めることにつなげた事例を紹介した。

　廣川教育次長は山根直樹教育長の励ましの言葉を代読。「働き方改革は積み重ねや試行錯誤の繰り返しが重要であり、持続可能なものにするためには学校全体で取組を進めていかなければならない。教職員のウェルビーイングを高め、誇りとやりがいを持って取り組むことが重要」と強調。

　「市教委と現場が両輪となって進めていくことで長時間労働の解消を図り、未来の教育を生み出すものと確信している。力を合わせてより良い教育環境を構築していきたい」と締めくくった。

(札幌市 2024-11-25付)