札幌市教委 こども本の森基本方針案 小中生に知をひらく 北大構内に立地 大学と連携
(札幌市 2024-11-21付)

 札幌市教委は、8年夏ごろの開館を目指す仮称・こども本の森の基本方針案をまとめた。小中学生を主な対象とした市立図書館として位置付ける方針。コンセプトに「こどもに知をひらく」を掲げ、北海道大学構内という立地を生かし同大との連携などに取り組んでいく考えだ。

 こども本の森は、世界的建築家の安藤忠雄氏が設計・建設費を自ら負担し自治体などに寄贈している子ども向け図書施設。現在、大阪府大阪市、兵庫県神戸市などで開館している。

 安藤氏からの提案を受け、5年11月に(株)安藤忠雄建築研究所、北大、札幌市の3者で基本合意書を締結。全国6ヵ所目の施設として北大構内に建設し、札幌市が運営に関わることなどを申し合わせた。

 先行施設の視察や関係者へのヒアリング調査結果などを踏まえ、施設のコンセプトや運営方法などを基本方針として示した。

 学齢期における読書習慣の確立が課題となっていることから、小中学生を主な対象とした市立図書館として設置する方針。自主的な読書活動の推進を目的とした機能分館として位置付ける。

 コンセプトは「こどもに知をひらく」。これに基づき「本との出会いから、世界への好奇心と想像・創造力を育む」「多種多様な知や人とつながり、学びを深める」「魅力ある空間や自然の中で、読書に没入する」の三つの方針を掲げた。

 コンセプトを実現するため「誘発」「交流」「体験」の三つの機能を柱としたサービスを構築していく。

 北大構内という立地を生かし、様々な連携を進める方針。多種多様な知に触れる機会として、北大が有する自然環境や施設、知見や人材に合わせてワークショップや関連展示等を併せて行う「学びのプログラム」の検討などを掲げた。

 蔵書数は、先行施設の状況などを踏まえ1万5000冊程度とする考え。貸し出しはせず、館内閲覧を原則とする。

 運営手法については、コンセプトや求められるサービスを実現するため、指定管理者制度を導入し、民間の能力を活用した運営とする方向で検討している。

 施設の開館および運営等にかかる費用は、寄付金によって賄う。ふるさと納税などの制度も活用し、広く寄付金を募る考えだ。

 方針案を市議会文教委員会に報告後、12月下旬ごろからパブリックコメント、キッズコメントを募集する予定。来年2月上旬ごろの策定を目指している。

(札幌市 2024-11-21付)

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