札幌伏見小 実践発表会 意欲的に学ぶ子育成 1年算数 関係付け生かす(札幌市 2024-11-20付)
伏見小実践発表会
札幌市立伏見小学校(児嶋大輔校長)は1日、同校で第25回教育実践発表会を開催した。研究主題「意欲的に学ぶ子の育成」のもと、国語、社会、算数など22授業を公開。うち1年算数では浜辺李佳教諭が意欲的に学ぶ子の姿が見られる授業を展開した。
同校では、研究主題として「意欲的に学ぶ子の育成~“わかった”“できた”、“楽しい”を起点に、関係付けが生きる学習」を設定。この日は2年ぶりに発表会を開き、これまで積み上げてきた実践の成果を伝えた。
発表会では5・6時間目の全22授業を公開。うち1年算数「くらべかた」では浜辺教諭がひもの長さを比べる授業を展開した。
はじめに黒板に異なる長さの2本のひもを貼り付けた。各ひもを同校教諭の名前にちなんだヘビに見立てて「こいへび」「くろへび」と名付け「楽しさ」を感じさせる工夫を凝らした。
その上で本時の課題「どちらがどれだけながいですか」を板書し、ノートに書かせた。児童は長さの違いはすぐに認識したものの「どれだけ長いか」を説明できなかった。浜辺教諭が「じゃあ諦めようか」と呼びかけると、子どもから「やだー」という声が一斉に上がった。
浜辺教諭は、ある児童の「(長さの違いは)黒板消し2個分くらい」との発言を拾い上げ「長さを〇〇個分と、数字で言えればいいのでは」と強調。「どうしたらヘビたちを〇〇個分にできるか」と問いかけた上で、黒板に貼ったのと同じ長さのひもを配布した。児童は2人一組になって話し合いながら、消しゴムや鉛筆などでひもの長さを測った。
浜辺教諭は、子どもたちが何で測り、何個分になったかを聞き取り、消しゴム2個分、人差し指1本分、算数ブロック20個分、鉛筆3本分といった結果を全員で共有。児童の各発表は長さの「違い」を測ったものと、ひもの長さ全体を測ったものに分けられることを示唆し、児童の発言を引き出しながら、それを全員に理解させた。
その上で児童の「使った消しゴムは減っているから必ず2個分にはならない」との声を取り上げ、大きさが変わらない算数ブロックで「測ってみたい」という意欲を引き出した。
授業の終盤では長さの違いはブロック4個分だったことを確認。その上で「長さが変わっても算数ブロックで測れるね」と間違った認識を提示。子どもたちから「長すぎるものは測れない」などの声を引き出した。
授業の終わりには「この続きを早くやりたい」という声が上がるなど、学ぶ意欲が強くかき立てられた子どもたちの様子が見られた。
公開授業後は、カリキュラムデザインアドバイザーとして道教育大学札幌校教職大学院の渋谷一典教授が講評。分科会では、教科等ごとにさらなる授業改善などに向けて議論し、情報を共有した。
(札幌市 2024-11-20付)
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