元コンサドーレ選手・石川氏講演　失敗から成長する力を　札幌市Ｐ協 研修セミナー

（札幌市 2024-11-25付）

　札幌市ＰＴＡ協議会（髙原周作会長）は１２日、市内のちえりあで６年度研修セミナーを開催した。北海道コンサドーレ札幌などで活躍した元サッカー選手の石川直樹氏が講演し、失敗を乗り越え成長につなげていく方法などを伝えた。

　同会は、子どもの健全育成を目的として、保護者および教職員が社会構造の変化に対応できるための学びの推進、家庭教育力の向上を図る取組を進めている。

　その一つとして開催した研修セミナーには、市内全域から約２００人の保護者らが参加した。

　石川氏は「保護者でもある石川直樹が考える　子どもの“生きる力”の育み方」と題して講演。失敗を乗り越える方法、保護者や指導者としての経験に基づく子どもとの関わり方などを伝えた。

　石川氏は「サッカー人生最大の失敗」と語る、元年のＪリーグＹＢＣルヴァンカップ決勝での出来事を紹介した。

　コンサドーレ創設以来、初となる決勝進出。強豪・川崎フロンターレとの勝負は拮抗し、ＰＫ戦にまでもつれこんだ。最後の５本目「これを決めれば優勝」という場面を託されたが、キーパーに阻まれてしまった。

　優勝のチャンスを逃した責任を感じ、当時はかなり落ち込んでいたと振り返るが「今はこの経験があって良かったと思える」と話した。

　気持ちを切り替えてつぎに向かうために、ノートにその時の考えを書き出して気持ちを整理する、落ち込む時間に期限を設定することなどに取り組んだと紹介。

　また、笑顔であいさつする、ランニングでは必ず先頭を走る、下を向きそうになったら姿勢を正すなど、簡単な目標を設定して練習に取り組んでいたことを伝えた。

　こうした地道な取組の中で、仲間やサポーターから温かい言葉を受け「たくさんの人に支えられている。全てを自分で頑張る必要はない、と気付くことができた」と話した。自己理解が深まり、現役続行を決意するきっかけにもなったという。

　残りの選手生活で自分のできることに取り組んできたところ「プロになって初めてサッカーが楽しいと感じた」と新たな気付きが生まれ「失敗して成長できたと思える過去になった」と笑顔を見せた。

　こうした経験から、子育てなどの場面で「失敗から成長する力を育てよう」と呼びかけた。

(札幌市 2024-11-25付)