札幌大倉山小 国際理解教育交流会 イスラム文化を知ろう 道教大函館校留学生招き(札幌市 2024-12-26付)
札幌市立大倉山小学校(松本昌也校長)は11日、道教育大学函館校で学ぶイスラム文化圏出身の留学生3人を招いて、国際理解教育に関する交流会を開いた。5年生約60人は、これまでに学んだ英語を使って積極的に質問。日本との文化の違いを肌で感じながら、異文化への理解を深めた。
大倉山小は例年、総合的な学習の時間の一環で、韓国の小学校との国際交流授業を開催していたが、本年度は都合が合わず開催を断念。JICA北海道に交流先を相談したところ、道南で国際理解教育に関する出前授業を開いている石森広美准教授の紹介を受けた。
国際地域学科で地域教育を専攻する石森准教授の研究室では、小・中学校外国語と国際理解教育を融合した授業づくりを進めている。特に、在籍する留学生との交流を取り入れた授業は「異文化に対する児童生徒の興味・関心が高まる」と高く評価されており、道南を中心に複数の学校で開かれている。
この日は、石森准教授と石森ゼミで学ぶ学部生、エジプト人留学生のマイ・ハッサンさん、マレーシア人のファリズ・ファズミールさん、ザイダトゥル・フスナさんの計6人が大倉山小を訪れ、5年生約60人を前に授業を開いた。
石森准教授は「異なることばや文化を知ろう!」をテーマに講義。留学生がそれぞれの母語で自己紹介したあと、3人に共通する宗教がイスラム教であることを説明した。
日本では仏教や神道、キリスト教にまつわるイベントが入り乱れていることを示した上で、イスラム教の戒律にまつわるクイズを出題した。
留学生は「牛肉や鹿肉、鶏肉は食べるが、豚肉は口にしない」「アルコールが使われていたり、ラードやゼラチンなど動物由来の油分が使われていたりする食材は食べないので、日本では苦労する」「(赤道に近い母国と異なり)日本には四季があるため、礼拝の時間が夏と冬で異なる」「礼拝する場所が少なく、困ることが多い」などと伝えると、児童たちは日本の文化との違いを興味深く聞き入った。
このあと、児童たちと留学生が3グループに分かれて交流。児童たちは英語を使いながら、好きな食べ物やスポーツ、興味のある日本文化などについて質問を投げかけた。あるグループでは、留学生がイスラム教の聖典「コーラン」を見せると、児童たちは「初めて見た」「すごい」などと声を上げ、真剣な表情で見入った。
交流を体験した高野一真さんは「国や文化が違っても、関わり方を考えることで他国の人とつながることができることを知った。いろいろな国の人とまた話してみたい」と目を輝かせた。
大倉山小の野々村謙司教諭は「イスラム文化に触れる機会は少ない。今回の交流をきっかけに他国の文化に触れる機会を一層増やしていきたい」と話した。
石森准教授は「交流を通して外国人に対する抵抗感が減り、児童たちの異文化理解に対する興味が高まる」と取組の意義を口にした。その上で「異文化に対する興味・関心の高まりを一過性で終わらせることなく、各学校で継続的な取組を展開してほしい」と期待した。
(札幌市 2024-12-26付)
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