早期の教育相談・支援体制構築へ教師の発する言葉が重要プール学院大・松久准教授が講演道教委・根室市文科省指定

（道・道教委 2015-09-29付）

早期の教育相談・支援体制構築事業研修会開く

　【根室発】道教委、根室教育局、根室市教委は九月上旬、根室市総合文化会館で文部科学省委託事業「早期からの教育相談・支援体制構築事業根室市特別支援教育研修会」を開催した＝写真＝。釧路、根室両管内の学校や自治体、デイサービスセンターなどから約百七十人が参加。発達障がいの子どもに対する学級づくりに関する講演に耳を傾けた。

　根室市教委の寺脇文康教育長と道教委特別支援教育課の神守一志主幹があいさつしたあと、プール学院大学教育学部教育学科の松久眞実准教授が「崩れない学級とは～発達障がいの子どもをつつむあたたかい学級づくり」と題して講演した。

　松久准教授は、特別支援教育の充実に当たって、視覚支援やスケジュールの提示といったハード面の充実とともに、子どものほめ方や叱り方など、ソフト面の充実も大切と強調。「発達障がいの子どもは一人ひとり違う。ある子に上手くいったからといって、ほかの子に上手くいくとは限らない」と述べ、「教師はカードをたくさんもつ必要があり、道教委が作成した校内研修プログラムをぜひ使って」と呼びかけた。

　さらに、「〝先生はこう思うよ〟〝ありがとう〟など、好意に満ちた語りかけが大切。悪意に満ちた言葉は、その言葉だけ切り取られて、子どもの心は傷ついてしまう」とし、教師が発する言葉の重要性を指摘した。

　松久准教授は、続いて実施した第二部でも、根室市内の保育士や幼稚園教諭等を対象に講演。その中でも、ハード面とソフト面の大切さを具体的な事例を通して説明した。

　根室市では、今回の研修会を踏まえ、さらに市内の各学校等の特別支援教育の充実を図る考え。また、根室教育局は、研修会の成果を様々な機会に管内の各学校に普及させていく方針だ。

(道・道教委 2015-09-29付)