第2回特別支援学級リーダー教員研 支援体制の在り方模索 実践発表や協議など通じ 道教委
(道・道教委 2015-09-30付)

特別支援学級リーダー研
特別支援学級リーダー教員研究協議会

 道教委は二十四日から二日間、道庁別館で二十七年度特別支援学級担当教員サポート事業「第二回特別支援学級リーダー教員研究協議会」を開催した=写真=。全道の特別支援学級担当教員のリーダー的な教員十五人が参加。実践発表や協議、指導資料作成、講演などを通して、教員の支援体制の在り方について考えを深め合った。

 同研究協議会は、各管内における特別支援学級担当教員をサポートする体制の構築を目指し、八月の第一回に引き続いて開催。特別支援学級における教育課程や学級経営上の留意点を示す『特別支援学級担任のQ&A(小学校編)』も作成していく。

 冒頭、特別支援教育課の神守一志主幹があいさつ。「二日間を通して、それぞれの課題解決の糸口を探すとともに、参加者同士のネットワークを構築して」「各管内で実施する研修会や会議における助言者・説明者として、北海道というチームで助けてほしい」と各校の特別支援学級担任のために活躍するよう期待した。

 次いで、宇野宏之祐主査が「地域におけるリーダー教員の役割」と題して説明した。

 道内の小・中学校の特別支援学級、特別支援学校、通級指導教室に通う児童生徒が増加している現状を示し、「保護者と本人の希望をどうかなえ、就学後の支援をどうするかなど合理的配慮について話し合う流れになっており、特別支援教育の専門家である先生方の役割が高まっている」と強調した。

 さらに、特別支援学級において、重複障がいなど対応の難しいケースや関係機関との連携が必要なケースが増加していることも話し、「一人ひとりの障がいの状態に応じた教育課程の適切な編成・実施、指導や支援の質の向上が課題」と指摘した。

 そのため、地域におけるリーダー教員には、特別支援学級担当教員とのネットワークの構築が求められていることを伝えた。

 このあと、留萌市立東光小学校ことばの教室特別支援コーディネーターの梶倫之教諭が「地域のネットワーク構築に向けたリーダー教員の役割」と題して、実践発表した。

 梶教諭は、留萌教育局主催の研修会の講師として、教育課程の編成や支援計画、授業づくりなどについて話してきたことを振り返り、「ワークショップや休憩時間に先生の実態やニーズを把握している。各先生が情報発信者になってもらうよう心がけてきた」「それぞれの先生がやっていることを否定せず、子どもの困り感に対してあすからできることを伝えている」と報告した。

 午後からは、学習内容の系統性を踏まえた指導について理解を深め、課題の整理と解決に向けた方策について協議。指導資料の作成も行った。

 二日目は、「特別支援学級担当者に求められる専門性~保護者との連携について」をテーマに、国立特別支援教育総合研究所の久保山茂樹総括研究員が講演した。

(道・道教委 2015-09-30付)

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