学力向上 長期休業中の支援など 26年度PTAアンケート調査結果 道教委(道・道教委 2015-10-02付)
道教委は、二十六年度北海道の教育に関するPTAアンケート調査の結果をまとめた。学校の学力向上やいじめ問題への取組など十七項目の質問と、自由記述による回答を得た。調査結果をみると、学力向上のために学校で取り組んでほしいこととして、「長期休業期間の補充的な学習サポート」「習熟度別少人数指導」などを求める割合が高かった。
教育の諸課題に関する児童・生徒の保護者の意見や要望を把握し、「北海道教育推進計画(改訂版)」の推進管理や教育施策の改善に活用するために実施。調査は、①学校の学力向上の取組への評価②いじめ問題への取組への評価③学校および教員の資質・能力や姿勢への評価④学校と地域の連携の状況に対する評価―に関する十七項目のほか、自由記述による回答を求めた。
ことし一~二月、道内の公立小・中学校単位PTA(札幌市を除く)一千三百八十五校を対象に実施したところ、六四・〇%に当たる八百八十七校からの回答を得た。
調査結果をみると、「あなたの学校は、読み書き計算をはじめとする基礎学力を身に付けさせていると思うか」の質問について、小学校では「そう思う」(五四・八%)、中学校では「概ねそう思う」(四九・八%)が最も高かった。「そう思う」「概ねそう思う」を合わせると、小学校、中学校とも九割を超えた。
また、「そう思う」と答えた割合は、小学校が中学校より一二・七ポイント高くなっており、二十五年度の調査と比較すると、小学校、中学校ともに、「そう思う」「概ねそう思う」の合計は増加した。
「あなたの学校は、すべての子どもたちに基礎学力を身に付けさせるため、放課後や夏休み・冬休み期間に補充指導を十分行っていると思うか」の設問に対しては、小・中学校とも「概ねそう思う」(小学校四五・〇%、中学校四八・三%)が最も高く、「そう思う」「概ねそう思う」を合わせると、小学校、中学校とも約八割となっている。
「あなたの学校は、平日や週末に、宿題を出したり、宿題の点検をしたりする取組を、学校全体で行っていると思うか」という質問では、小学校では「そう思う」(五九・〇%)、中学校では「概ねそう思う」(四八・六%)が最高。「そう思う」「概ねそう思う」を合わせると、小学校では九三・九%、中学校では八四・二%となった。「そう思う」では、小学校が中学校より二三・四ポイント高くなっている。
学力向上のため、学校に取り組んでほしいことに関しては、小学校では、「長期休業期間の補充的な学習サポート」が四八・四%で、以下、「習熟度別少人数指導」(四七・九%)、「平日の宿題」(四七・〇%)、「放課後の補充的な学習サポート」(四三・四%)、「土日の宿題」(三六・七%)と続いた。
中学校では、「習熟度別少人数指導」が五八・八%と最も高く、「長期休業期間の補充的な学習サポート」(五三・九%)、「放課後の補充的な学習サポート」(四九・二%)、「平日の宿題」(三六・二%)、土日の宿題(三一・九%)となった。
二十五年度の調査結果と比べると、小学校では、「取り組まなくてもよい」が減少。小学校では「土日の宿題」、中学校では「習熟度別少人数指導」が最も上昇した。
「あなたの学校では、学校全体として、学習規律・生活規律がしっかりと指導されていると思うか」の質問については、小学校、中学校とも「概ねそう思う」(小学校五二・〇%、中学校五一・七%)が最高。「そう思う」「概ねそう思う」を合わせると、小・中学校とも九割を超えた。
「あなたの学校は、全国学力・学習状況調査の結果を、保護者に分かりやすく説明していると思うか」では、小・中学校とも「概ねそう思う」(小学校四七・三%、中学校四九・五%)が最も高い結果となった。
「あなたの学校は、全国学力・学習状況調査の結果を、保護者に分かりやすく説明していると思うか」では、小・中学校とも「概ねそう思う」(小学校四七・三%、中学校四九・五%)が最も高い結果となった。
「あなたの学校は、児童生徒の悩みや問題に適切に対応していると思うか」という質問については、「そう思う」「概ねそう思う」を合わせると、小学校では八四・〇%、中学校では八〇・八%。小学校、中学校とも、「そう思う」「概ねそう思う」の合計が上昇(小学校三・三ポイント、中学校三・六ポイント)。中学校では、「思わない」「あまりそう思わない」が減少し、「そう思う」が四・二ポイント上昇した。
「あなたの学校は、いじめが発生した場合の対応方針などを保護者に分かりやすく説明していると思うか」では、「そう思う」「概ねそう思う」を合わせると、小・中学校ともに約七割。特に、中学校では「そう思う」が一〇・七ポイント上昇した。「思わない」「あまりそう思わない」の合計は、小学校七・六%、中学校九・〇%だった。
「あなたの学校は、いじめ問題について、HPや学校通信等によって、保護者に分かりやすく説明していると思うか」については、「そう思う」「概ねそう思う」を合わせると、小学校、中学校とも約六割にとどまり、ほかの項目に比して「どちらとも言えない」や「わからない」の割合が高かった。「思わない」「あまりそう思わない」の合計は、小学校一二・六%、中学校一二・七%だった。
「あなたの学校は、地域の人材や教材を生かした教育活動を積極的に行っていると思うか」という質問については、小学校、中学校とも「そう思う」(小学校五四・六%、中学校三九・三%)が最高。「そう思う」の割合は、小学校が中学校より一五・三ポイント高かった。
「あなたの学校では、保護者の意見等を参考に学校評価を行い、積極的に学校改善を進めていると思うか」という質問については、小学校では「そう思う」(四六・三%)、中学校では「概ねそう思う」(四五・二%)が最も高く、「そう思う」「概ねそう思う」を合わせると、小学校、中学校とも八割を超えた。
自由記述では、「放課後の補習体制および長期休業期間の学習を充実してほしい」「学習塾がない地域において、補完できるような取組を実施してほしい」「土曜授業を実施してほしい。また、土曜授業の実施は、自治体の判断に任せず、道として検討し指針等を提示できないか」などの学力向上に向けた要望のほか、「保護者と協力の上、不登校児童生徒に対する個々の指導を積極的に行ってほしい」「いじめや不登校、有害サイト等に対する取組は、保護者や地域の意識向上が重要ではないか」などの意見もあった。
(道・道教委 2015-10-02付)
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