採用校長・昇任教頭研（小中）開く　円滑な接続体制構築へ　静内高の取組事例もとに研鑚　日高教育局独自「目的別研修」

（道・道教委 2015-10-13付）

日高教育局が採用校長・昇任教頭研

　【浦河発】日高教育局は四日、静内高校を会場に目的別研修「第三回採用校長・昇任教頭研修会」を開催した。管理職としての役割の理解と資質能力の向上を目指し、管内で本年度採用された小・中学校の校長および昇任教頭十三人が参加。「高校における組織的な学校経営戦略」をテーマに廣田定憲静内高校長が講話したほか、同校の佐藤桂治教務部長が組織的な学校運営のためのミドルリーダーの役割について説明し、実践的な学校運営と経営戦略について研鑚を積んだ。

　目的別研修は、管理職および一般教員が自らの経験や職責に応じたミッションを再確認し、個々の資質と能力を一層高めるため実施しているもので、日高局独自の取組。今回、小・中学校の採用校長・昇任教頭を対象に、管内において先進的な学校運営を実践している高校の取組事例を研修することで、小中高の円滑な接続と連携を構築するとともに、十二年間で地域の子どもを育てる体制づくりに資することを目指す。

研修会では、廣田校長が学校経営に対する考え方や取組事例などを通し、学校経営シラバスの作成や校内人事など、具体的な手法を交えて紹介したほか、学校裁量問題導入の背景や他校の状況、入学者選抜結果などについても解説した。

　佐藤部長は、校長のビジョンを現場の運営に反映させるため、学校運営の要となる教務部長の位置付けと働きについて説明。「教務部長は学校運営の要。教頭と連携し、校長の両腕となって頑張ることが役割」とした上で、「校長の学校経営方針やビジョンに基づいた学校改革を進めるに当たっては、議案を現場の教員が主体的に話し合い、積極的かつ肯定的に賛同できるよう校務を進めている。そのためには、あらゆる場面で教員とのコミュニケーションを取ることが大切」と解説した。

　また、高校で学校改革を進めるために、委員会やプロジェクトが組まれている例を挙げ、「教員らが建設的な意見を出し合える場を作ることが、“学校改革”につながっていく」と持論を展開し、柔軟な発想を導くための校内研修や話し合いの場の重要性を示した。

　参加者らは、「校長のビジョンを教員に対してどのように組織的に理解させるか」「“実践力”を支えているものは何か」など、学校経営戦略の実践に向けた積極的な質疑応答を交わし、管理職としての役割と組織的な学校経営について理解を深めていた。

(道・道教委 2015-10-13付)