夕張高と都立高がキャンプ　意見交換通じ交流深化　エゾシカとの共生などテーマに

（学校 2015-08-05付）

夕張高キャンプ―グループディスカッション

　夕張高校（今勉校長）は七月二十三日、同校などを会場に「第四回高校生夕張キャンプ第Ⅰ期」を開催した。同校生徒と東京都立高校の生徒二十二人が参加。エゾシカとの共生をテーマとするグループディスカッションやエゾシカ肉を使った調理実習などを通して交流を深めた。

　財政再生団体である夕張市と東京都による自治体間連携モデル事業の一環。夕張市の自然、歴史、文化、施設や産業等に関する体験を通して農業、商業等の産業やスポーツの社会的な意義・役割について理解を深めるとともに、青少年の健全育成を図ることを目的としている。今回で四回目の開催となった。

　イベントの前日、東京都立八丈高校の参加者が来校。八丈島短期留学の企画「八夕プロジェクト」のプレゼンテーションを行った。参加した夕張高の生徒は、八丈島の気候、特産品や観光資源等について質問していた。

　当日、夕張高の一年生約四十人は、八丈高生とともに食害などが問題となっているエゾシカとの共生をテーマとするグループディスカッションに参加。意見交換を通して交流を深めた＝写真＝。

　続いて、一般社団法人エゾシカ協会の井田宏之専務理事が、道内のエゾシカによる被害やシカ猟の現状と課題、資源としての有効活用の方法を解説。このあと、両校生混成の八グループに分かれて討論を行った。

　エゾシカと自動車の接触防止では、「レンタカーを使う旅行者にも注意を呼びかける必要がある」、農作物への被害防止では、「好物を研究して畑以外に誘い込んでは」、シカ肉有効活用では、「身近なスーパーで購入できる仕組みが必要」などの提言があった。

　調理実習では、夕張鹿鳴館の増川博美総料理長が講師を担当。夕張産トマト、エゾシカ肉を食材としてトマトカレーとエゾシカハンバーグを調理した＝写真＝。生徒たちは楽しく食事をともにした。

　増川料理長は、生徒たちに、エゾシカ肉は脂肪分が少なくヘルシーであること、夕張市にエゾシカ肉加工場がないため、エゾシカが産業廃棄物として埋められている実態などを説明した。

　高校生夕張キャンプでは今後、八月上旬に参加校の男子生徒による野球やバスケットボール大会、八月中旬に女子生徒によるサッカー大会を開催する予定。

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夕張高キャンプ―エゾシカ調理

(学校 2015-08-05付)