３授業を公開し研修　道教育大附属釧路中が道徳実践発表

（学校 2015-08-05付）

　【釧路発】道教育大学附属釧路中学校（杉山佳彦校長）は七月下旬、仮校舎の旧柏木小学校で二十七年度第四回道徳実践発表会を開催した。三つの授業を公開。授業の事後研修や実践提案を行う分科会などを通じて道徳教育の充実を目指した。

　主題は「心が通い合う道徳の時間の創造」。これからの道徳教育に求められる「考え、議論する道徳授業」の在り方についての研修の成果を発表する機会とした。

　はじめに行った公開授業Ⅰでは、更科結希教諭が三年Ａ組で「正義を重んじる」を主題に「卒業文集最後の二行」の授業を公開。午後から特設授業として行った公開授業Ⅱでは、柴田題寛教諭が一年Ｂ組で「勤労」を主題に「ナイトカストーディアル」の授業＝写真＝、吉岡康一朗教諭が二年Ｃ組で「思いやり・感謝」を主題に「最後の年越しそば」の授業を公開した。

　うち、柴田教諭は「勤労」についてのアンケート結果をもとに、「皆さんは、どのような気持ちで仕事をしていますか」と学級や家庭での仕事に対する気持ちを引き出しながら、資料の中身に入っていった。いろいろな考えが出されたあと、授業の後半には、生徒たちから「みんなのために仕事をしたい」「これからはどんな仕事も工夫して取り組みたい」との声が挙がった。

　一方、吉岡教諭は、物語に登場する一家の心境に立って、父に末期がんであることを告知することと、告知しないことのどちらが思いやりなのかを考えさせた。後半では父がお年寄りにそばを振る舞ってあげた行為について考えさせていた。

　学年別分科会では、授業の事後研修のほか、同校、道教育大附属旭川中、道教育大附属函館中が実践提案を行い、活発に協議した。

　最後に、道教育大釧路校の長谷博文准教授が「今後の道徳の在り方」と題して講演。「特別の教科・道徳」のポイントや新しい道徳科の授業づくりについて説明し、参加者は熱心にメモを取っていた。

(学校 2015-08-05付)