道造形教育連盟が研究大会開催　自立と共生の教育目指す　渡島管内幼・小・中で６授業公開

（学校 2015-08-11付）

道造形教育連盟研究大会

　【函館発】道造形教育連盟（三井哲会長）は七月二十九日、函館市立弥生小学校などを会場に「第六十五回全道造形教育研究大会」を開催した〓写真〓。全道各地から約二百三十人が参加し、渡島管内の幼稚園、小・中学校で計六授業を公開した。

　同連盟では、「“わたしを創る”～自立と共生の造形教育をめざして」を研究主題に設定し、研究を進めている。大会テーマは「夢・つくる・人～未来はぐくむ造形教育」とし、幼稚園・小学校・中学校の公開授業、分科会や講演会を通じて、豊かな造形教育について指導の充実を図った。

　公開授業のうち、体育館で実施された「北海道夢ツリープロジェクト」は、弥生小五・六年生三十四人と函館市内中学校の美術部員六人が授業に参加。大会実行委員会研究部が講師となって授業を行った。

　「北海道夢ツリープロジェクト」は、大会の活性化と全道ネットワークを使用したアートプロジェクトで、初の試みとなっている。

　各地区の児童・生徒がフューチャーリーフという葉を作り、自分の夢や目標を書いていくもので、全道の幼、小・中学校から二千三百枚以上が集まった。

　大会では、参加した小・中学生が協力して、ツリーの枝の部分をつなぎ、枝にフューチャーリーフを貼っていった。小学生は中学生の指示に従い、協力して作業し、九本の夢ツリーを完成させた。

　作業を終えた小学生は、「みんながいろいろな夢を書いていて、頑張っていることが伝わってきたので、私も美容師になるという夢に向かって頑張りたい」と感想を。中学生は、「みんなの夢が実現できたらいいなと思いながら作った」と話していた。

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　授業後、全体会を行い、はじめに三井会長があいさつ。「子どもたちが主体的・協働的に学ぶことができる質の高い教育をつくりたい」と抱負を述べた。

　また、来賓として渡島教育局の辻俊行局長、函館市教委の山本真也教育長が祝辞。辻局長は「美術科は心の教育にも大きく影響する教育活動。資質、能力を磨き、実り多い会となるようお願いする」と話し、山本教育長は「函館の教育水準を上げるとともに、大会で得たものを皆さんの地域にもち帰っていただければ」と期待した。

　続いて、同連盟の湯浅大吾研究部長と佐々木善徳大会研究部長が研究概要を説明。「自立した造形活動」「造形活動における共生の姿」について研究してきたことなどを話した。

　また、記念講演として環太平洋大学次世代教育学部の村上尚徳教授が「感性や創造性をはぐくむ造形教育」と題して講話。引き続き、分科会や研究協議も行った。場所を五島軒本店に移して全道地区交流会を実施し、親睦を深めた。

(学校 2015-08-11付)