函館市が第１回総合教育会議　市ならではの教育目指し　教育大綱素案を議論・了承

（市町村 2015-09-17付）

函館市が第１回総合教育会議

　【函館発】函館市は九日、市役所で第一回総合教育会議を開催した。工藤壽樹市長や橋田恭一教育委員長、山本真也教育長などの教育委員、各部の部長などが出席し、会議の運営や教育大綱の策定について協議した＝写真＝。

　総合教育会議は、国による地教行法の一部改正に伴い、設置が義務付けられた。首長が召集し、教育行政の大綱の策定などを協議する。

　はじめに工藤市長があいさつで、総合教育会議の趣旨や開催の経緯について説明。「一緒に函館の教育の在り方を協議していきたい。教育を良くしていくという観点で話し合いたい」と述べた。

　続いて、橋田教育委員長が「市長が教育にかかわることはありがたい。緊張感をもつことになり、仕事を進める上で重要なこと。今までの範疇では処理できない問題もあると思われる。そのため、外部との協力関係が大事になる」とあいさつした。

　協議に入り、会議の運営について確認したあと、教育行政に関する大綱の策定について協議した。

　はじめに、事務局側が教育大綱素案を説明。①子ども、子育て支援②学校教育③生涯学習―の三点について、現状や課題を踏まえながら、「確かな学力の定着」「食育の推進」「道徳教育・いじめ問題・不登校への対応」を含めた豊かな心の育成や特別支援教育の推進、文化芸術・スポーツの振興など、具体案を交えながら示した。

　意見交換では、「豊かな心の育成に関する文言を一層盛り込むことが必要」「教職員の多忙化の問題では、外部人材の活用を推進する取組が必要」「子どもたちのありようは多様化していて、いろいろな環境にある子どもたちにどのうような教育が提供できるかが問題」など、活発な意見が交わされた。

　工藤市長は「スピード感のある検討、実施を」「予算協議については計画的に」「函館ならではの教育を」など、〝改革と挑戦〟を意識してほしい」などの方向性を示した。

　大綱の対象期間は、二十七～二十九年度までの三ヵ年。素案が大筋で了承されたことを受け、今後市民からの意見聴取を経て、十二月中に決定する予定。

(市町村 2015-09-17付)