旭川市教委が総合学習研修会開催　地域生かした探究学習を　講義や農業体験を通し研鑚

（市町村 2015-09-17付）

旭川市教委が総合的な学習の時間研修会

　【旭川発】旭川市教委は十日、東旭川公民館と市内の古屋農園で総合的な学習の時間研修会を行った。市立永山西小学校の澤田匡史教頭による講義や、同農園での農業体験活動を実施。参加者二十一人は、探究的な学習の充実を図る授業づくり、地域の教育環境を生かした体験活動を充実させる指導方法について学んだ。

　はじめに、市教委教育指導課の竹内浩主査があいさつ。総合的な学習の時間を熱心に工夫している学校ほど学力が高い傾向にあることを示し、研修の成果を各学校の実践に有効に活用するよう求めた。

　つぎに、永山西小の澤田教頭が「地域の教育環境を生かした総合的な学習の時間」について講義した＝写真＝。次期学習指導要領では、論理的に考え、他者に分かりやすく表現する「汎用的能力」が重視されることに言及。汎用的能力の育成のため、探究・協働的な活動を盛り込んだ授業づくりの重要性を強調した。

　子どもの活動において、①課題の設定②情報の収集③整理分析④まとめ・表現―を授業で心がけるとともに、つぎの課題設定につながる授業づくりを推奨した。

　うち、①については、「現状と理想の姿の対比、驚きの事実の提示などから課題を見いだすなど、ずれや隔たりを感じさせたり、対象への憧れや可能性を感じさせたりする工夫が大切」と指摘。「ポイントとしては、対象に直接ふれる体験活動を設定すること。その上で、アクティブ・ラーニングを意識した活動を取り入れてみては」と述べた。

　また、③においてＫＪ法やウェビングマップなどの思考ツールを活用した実践を紹介。「思考ツールの使い方を勉強するのに終始することがないよう、学年の発達に合ったものを使うことが大事。自校の指導計画と照らし合わせて活用を考えてほしい」と呼びかけた。

　このあと、市内の古屋農園に移動し、「農業体験を生かした探究活動」について演習を行った。

　市農政課担当者が市グリーン・ツーリズム推進会議の進める市内小・中学校農作業体験モデル事業を紹介。児童生徒の農作業体験費用を補助する同事業の活用を呼びかけた。

　続いて、同農園の古屋勝さんの案内のもと、農作業を体験。ピーマンの収穫や田んぼの収量予想などを行った。

(市町村 2015-09-17付)