札幌市教委　中学校運動部活動在り方報告書案　外部指導者の役割強化など盛る　年内にもまとめる予定

（市町村 2015-09-25付）

札幌市教委が運動部活動在り方検討委員会

　札幌市教委は、中学校運動部活動在り方検討委員会における報告書案をまとめた。案では、当該校の校長が認めた範囲内において可能となる外部指導者の「単独指導」や、市内での練習試合への生徒引率を行うことができる特別外部指導者任用事業などを盛り込んだ。一方で、生徒の成長期における健康面や学習面、生活全体のバランス等への考慮が必要なことも示している。年内に報告書をまとめ、市内各学校やＰＴＡ協議会などに配布し、活用を呼びかけていく。

　報告書では、①はじめに②運動部活動の意義と札幌市における位置付け③札幌市における運動部活動の現状と課題④運動部活動の一層の充実に向けて⑤開かれた運動部活動の推進⑥安全に配慮した適切な指導や活動―の六章で構成している。

　①では、運動部活動の現状や同会を設置した経緯などを紹介。②では、学習指導要領における部活動、市教委における運動部活動の位置付けを説明している。

　③では、少子化や各中学校における教員数の減少、顧問教諭の負担が多いことから顧問を引き受けることができない教員が増加し、運動部活動の設置数が減少するなど生徒が希望する部活動に入部できないこと、部活動運営における問題点など市の現状と課題について説明。課題解決に向け、顧問教諭の負担を軽減することで顧問教諭のなり手を増やし、「部活動を存続させるなど生徒が希望する部活動に参加することができるようにすること」「学校と保護者が連携した部活動運営の推進など指導の充実を図ること」を挙げた。

　④では、③を受けて、当該校の校長が認めた範囲内での運動部活動における単独指導や、市内での練習試合への生徒引率を行うことができる特別外部指導者任用事業、運動部活動「学校間連携方式」など、課題解決に向けた方策を示している。

　⑤では、顧問教諭が技術指導や生徒指導、大会運営など負担が増していること、様々な課題への対応が求められている中、学校が保護者と連携を深め、役割分担をしながら部活動を運営することが望ましいなど現状と課題を示し、開かれた部活動づくりを進めることが必要と説明。今後に向け、校内に開かれた運動部活動運営や保護者との連携による開かれた運動部活動運営の在り方について記している。

　⑥では、生徒の成長期における健康面や学習面、生活全体のバランス等を考慮するなど札幌市運動部活動の活動基準を説明したほか、体罰・暴力行為、ハラスメントの排除を呼びかけている。

(市町村 2015-09-25付)