北肢研が第５２回研究大会旭川大会　地域生活を意識し授業を　公開授業や文科省・分藤調査官の講演

（関係団体 2015-12-03付）

北肢研第５２回研究大会旭川大会

　【旭川発】道肢体不自由教育研究協議会（宮崎真彰会長）は十一月二十六日から二日間、旭川養護学校（高橋和明校長）で第五十二回研究大会旭川大会を開催した＝写真＝。研究主題は、「地域生活を指向した教育課程改善の視点と授業づくり～児童生徒がこれからの時代をより良く生きるための教育内容に関する基礎的研究」。全道から百七十三人が参加し、公開授業や分科会での研究協議、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官の分藤賢之氏による講演を通し、肢体不自由教育の充実に向けて研鑚を積んだ。

　道教委、旭川市教委、全国特別支援学校肢体不自由教育校長会、道特別支援学校長会、道特別支援学級設置学校長協会後援。

　開会式に先立ち、幼・小学部、中学部、高等部で計十九授業を公開した。うち、十二授業では、同校研究主題「幼児児童生徒の将来を見据えたコミュニケーション能力の向上を目指して、一人ひとりに応じた丁寧なかかわりを通して」を踏まえた研究授業となっている。

　つぎに、開会式に移り、宮崎会長と高橋校長があいさつ。宮崎会長は特別支援教育における今日的な課題にふれ、「本協議会は、共生社会の実現に向け、子どもの実態に応じた教育課程の改善充実を重視し実践研究してきた。本大会を通し、一人ひとりの子どもたちが地域でどう生きていくかを描いた授業設計が協議、検証されることを期待している」と述べた。

　高橋校長は「肢体不自由のある子どもにおいては、地域の中に多様な学びの場を整備し、地域単位の療育機能を充実させていくことが必要」と主張。「本大会が障がいのある子どもを支援するための広範なネットワークづくりにつながれば」と話した。

　続いて、来賓として上川教育局の齊藤文俊次長、旭川市教委の小池語朗教育長が登壇した。

　齊藤次長は、道教委の柴田達夫教育長のメッセージを代読。国や道教委の施策について言及し、「道教委においては、各学校の安全、的確な医療的ケアの実施に向け、より共通理解を図ることが大切と考えている」と説明した。また、今後も医療的ケアを必要とする子どもが増加傾向にあることから、各校における取組の一層の充実を求めた。

　小池教育長は、大会の成果が全道に広がり、授業改善につながるよう期待した。

　次いで、ポスター発表を行い、分藤氏が講評した。引き続き分科会では、「授業改善・学習指導」「自立活動・生活指導」「地域や関係機関との連携」「キャリア教育・進路指導」で提言発表と研究協議を行った。

　二日目は、分藤氏が「肢体不自由特別支援学校におけるカリキュラム・マネジメントと授業づくり」と題して講演した。

　このあと、同協議会の総会を開き、前年度の活動報告、本年度の事業や研究テーマ等、次年度の事業計画案などを議題に審議した。

(関係団体 2015-12-03付)