渡島公立学校教頭会が研究大会開く 協働する集団目指して 分科会や講演などで研鑚積む(関係団体 2015-12-02付)
渡島公立学校教頭会研究大会
【函館発】渡島公立学校教頭会(山内淳禎会長)は十一月二十八日、函館市内のロワジールホテルで二十七年度第五十回研究大会を開催した。関係者約七十人が参加。学校の組織づくりや研修の充実、マネジメントサイクルの充実に向け、教頭のかかわり方について研究協議を行ったほか、クレーム対応やマネジメント職としての心構えなどについて理解を深めた=写真=。
研究主題は「豊かな人間性と創造性を育む学校教育~学校組織の活性化を図る教頭のかかわり方」。本年度は、三ヵ年継続研究の二年次目に当たる。
開会式であいさつに立った山内会長は「教育改革のねらいをしっかりと見極め、特色ある学校づくりを進めると同時に、保護者や地域住民に対して説明責任を果たし、地域の負託に応え、信頼される学校づくりを進めていかなければならない」と述べ、校長の補佐役としての教頭の使命の重大さを強調。「教職員の意識改革と資質能力の向上を図り、意欲をもって協働する教職員集団を育てることが求められている」と、組織としての学校力を高めていくよう呼びかけた。
引き続き、渡島教育局の中島康則次長と、渡島教育委員会教育長会の田中健一会長、渡島小中学校長会の川野真一会長の三氏が祝辞。中島次長は、マネジメント機能の強化や地域との連携における調整能力などを示しながら、「教頭は学校運営の要。一層の職能の向上に取り組むことが大切」と述べ、今後の活躍を期待した。
田中会長は「アクティブ・ラーニング」「チーム学校」「コミュニティ・スクール」の三つのキーワードが大きく取り上げられている状況にふれ、「アクティブ・ラーニングはスタイルではない。チーム学校とは、当たり前のことを当たり前にやっていくこと」と強調。コミュニティ・スクールに関しては、「学校長の経営方針が運営協議会に承認されることが一番のポイントとなる。経営方針の根拠がしっかりとすることは、学校経営にとって力強い」と述べた。
川野会長は「教頭は校長の意を体するとあるが、受け身の教頭であってはならない。今、学校運営へのビジョンや課題を見いだす目を備え、課題解決に取り組むリーダーシップの発揮が強く求められている」と述べ、使命感と誇りをもって力を尽くすよう要請した。
このあと、三つの分科会で活発な意見交流を行った。
第一分科会では、「学校の組織づくりを進めるための教頭のかかわり方」をテーマに、学校課題の解決に向けた調和のとれた学校運営の在り方や、ミドルリーダーに役割を与えながら、職員の組織運営への参画意識の高め方などについて意見を交わした。
第二分科会では、「研修を充実させるための教頭のかかわり方」をテーマに、教職員の資質、能力の向上を図り、実践力を高める学校運営の方法や、学校組織の活性化を図ることなどについて協議を進めた。
第三分科会のテーマは、「マネジメントサイクルを充実させるための教頭のかかわり方」。組織マネジメントの手法を生かした学校運営に、教頭としてどうかかわるか、解明すべき課題と解決策について協議を行った。
◇
このほか、㈱函館丸井今井営業統括部販売サービス担当部長の宮崎みゆき氏が「クレーム対応について」と題して講演した。国内二十九社の百貨店で構成する三越伊勢丹グループにおける「お客さまとのトラブルを解決するポイント」を紹介しながら、実際のトラブル事例や対応の仕方、マネジメント職としての心構えを説明した。
宮崎氏は「クレームに似たようなものはあっても、同じものはない。三越伊勢丹グループに対応マニュアルはない」とし、常に客を主語、起点に考えて対応している状況を説明。一方で、クレーム対応で不備があった事例も示し、マイナスの情報がスムーズに現場から上司、上層部に伝わる職場づくりや、トラブル、クレームに対する徹底した客観的事実の把握が重要とした。
中では、事実の把握の際、個条書きではなく、可能な限り、生の声、その場の雰囲気が伝わる記録の必要性と、対応に当たっての多面的な視点からの検討の必要性を強調した。また、火災事故に例えて、クレームやトラブルが発生した際、「“初期消火”が大事。それも複数で対応することが大切」とした。
また、若手社員の育成にかかわって宮崎氏は、自身が研究大会に出席している教頭と同年代であることを意識しながら、「〝今の若いもんは〟とは言わずに、何かを教えるとか、指導するときは、若手がイメージしやすいよう具体的なアドバイスを心がけ、必ずやらせてみている」と述べ、経験を積み重ねることが若手の育成につながっていることを紹介した。
(関係団体 2015-12-02付)
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