帯広市校長会が学校経営研究協議会　職能向上目指し研鑚　提言発表、グループ協議を実施

（関係団体 2015-12-03付）

帯広市校長会経営研究協議会

　【帯広発】帯広市校長会（石原基博会長）は十一月二十五日、帯広市役所で本年度学校経営研究協議会を開催した＝写真＝。花園小学校の池下栄里子校長、大空中学校の藤崎禎人校長による提言発表やグループ協議を実施したほか、十勝教育局の上野靖局長が「北海道教育における今日的な課題について」と題して講演。約四十人の参加者は、校長としての職能の向上を目指して研鑚を積んだ。

　同協議会は、同会の活動方針に基づき、校長としての職能向上や学校教育の改善・充実に資するため、今日的教育課題や学校経営の在り方について理解を深め、個々の学校経営の充実・発展を期し、帯広市教育の振興に寄与することが目的。同会研修部主管。

　冒頭、石原会長があいさつ。近年の多様な教育課題についてふれた上で、「責任者である校長として、今まで以上にリーダーシップを発揮して学校経営に臨む必要がある。本日の研究協議会を通して、学校経営の充実・改善を図るとともに、帯広の教育の発展につなげていきたい」と意気込みを語った。

　続いて、帯広市教委の八鍬祐子教育長が来賓あいさつに立ち、同会の日ごろの取組について敬意を表した上で、「今一度、児童生徒一人ひとりの学びの姿を学校組織として、きめ細やかに分析し、効果的な指導を計画的に行うなど、学校と家庭が連携した取組を進めてほしい」と期待。「市教委としても、校長会と連携し、学校と教育委員会の両輪で信頼される学校教育を進めていきたい」と呼びかけた。

　つぎに、花園小の池下校長が「教育改革に対応した校長のリーダーシップや組織マネジメント等、校長に求められる資質向上を目指して～学校力向上を図るための戦略的学校評価の展開」、大空中の藤崎校長が「個に応じた指導の充実～習熟度別少人数指導の取組」をテーマに提言発表した。

　池下校長は「教職員が意欲的に学校運営に参画し、様々な教育課題を解決していくために、校長としての専門的職能向上が重要」とし、帯広市立花園小学校の実践例から「学校評価を生かした取組」を紹介。本年度の学校評価の年間計画を示し、「今後は学校改善に向けて、この取組を継続しつつ、日常的に教職員とコミュニケーションを図り、課題に対しての思いを共有していくような場面を意図的に仕組んでいく」と報告した。

　おわりに、「学校規模や地域性など学校事情に違いはあるものの、各校の実践を交流する中で、学校評価に対しての戦略をもって学校力向上を目指すことが重要」とまとめた。

　藤崎校長は市内中学校における習熟度別少人数指導の現状や実践例を紹介。「生徒一人ひとりの理解力が向上した」「少人数によるきめ細やかな指導ができた」などの成果を挙げた一方で、「下位層の生徒に対する指導が難しい」「時間割編成、教員配置が複雑化する」などと課題を振り返った。

　おわりに、今後の実践で留意すべき点として、①より一層の充実を図れるよう学習内容、学習方法、人数、教員配置等をしっかり検討していく②生徒自身が適切なコースを選べるよう、生徒個々の自己評価能力を高めるとともに、教師の指導、助言の在り方を検討する③学校や学年の実態を把握し、どの学年、どの教科、どの単元で取り入れていくかなどについて検討を深める―の三点を挙げ、「今後、この実践をさらに有効に活用していくためにも、校内組織や校内体制を機能させ、さらなる充実を図っていく」とまとめた。

　続くグループ協議後、十勝教育局の上野局長が「北海道教育における今日的な課題について」と題して講演した。

(関係団体 2015-12-03付)