道議会文教委の質問・答弁概要(27年11月25日)
(道議会 2016-03-02付)

 道議会文教委員会(二十七年十一月二十五日開催)における川澄宗之介委員(民主党・道民連合)、山崎泉委員(北海道結志会)の質問、および杉本昭則学校教育監、梶浦仁学校教育局長、菅原行彦学校教育局指導担当局長、赤間幸人高校教育課長、岸小夜子義務教育課長、岩渕隆義務教育課教育環境支援担当課長、相馬哲也新しい高校づくり推進室参事(改革推進)の答弁の概要はつぎのとおり。

◆キャリア教育について

川澄委員 本年度、新規事業として、キャリア教育にかかわる取組として、「小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業」が始まったと聞いているが、今回の推進事業の目的、また、現在の指定校の状況について伺う。

赤間高校教育課長 事業の目的などについて。本事業は、地域の未来を担う人材を育成するため、地方自治体や地域の産業界などの関係機関や団体の支援を受けながら、研究指定校において、家庭生活の大切さや子どもを育てることの意義についての学習や、小学校、中学校、高校間の体系的なキャリア教育に取り組むことを通して、本道におけるキャリア教育の充実を図ることを目的に、実施するものである。

 実施に当たっては、全道十四管内の同一市町村内の小・中・高校を研究指定校に指定することとし、例えば、空知管内においては、栗山町の栗山・角田・継立の各小学校、栗山中学校、栗山高校を指定するなど、道内の十四の市と町の小学校二十校、中学校十六校、高校十四校の計五十校を指定した。

川澄委員 具体的にキャリア教育とはどのようなことを指すのか伺う。今回の事業が進むに当たっては、教育課程上、何らかの形で位置付けをしなければならない考えるが、何の教科、または、どういった時間に位置付けて行うのか、併せて伺う。

赤間高校教育課長 キャリア教育については、二十三年一月の中央教育審議会答申において、「一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義されており、キャリア発達は、「社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程」であるとされている。

 また、文部科学省では、キャリア教育の指導について、「特定の活動や指導方法に限定されるものではなく、様々な学校教育全体の活動を通じて体系的に行われるものである」としている。

― 再質問 ―

川澄委員 今、文科省で、指導に当たっては、特定の指導方法や特定のものに限定されるものではなく、全体で行われるという話があった。普段の授業の時間数の確保が難しい状況の中で、この事業の実施に当たって、特定の教科や、例えば総合的な学習の時間などに一定程度定めて進める予定なのかどうか伺う。

赤間高校教育課長 同事業におけるキャリア教育について。キャリア教育の指導については、様々な学校教育全体の活動を通じて体系的に行われるものなので、本事業の実施に充てる時間数などについても、それぞれの研究指定校において児童・生徒の実態や地域の状況などに応じて設定されるものと考えている。

川澄委員 働くときに必要な知識や権利の学習について伺う。地域の特性にあった、職業の在り方を学ぶということは非常に重要だと思う。ただ、こういった働くときに必要な職業観だけではなく、必要な知識や権利についての学習も併せて行っていく必要があると考えている。この点について見解を伺う。

赤間高校教育課長 キャリア教育の内容について。本事業では、地域の良さや地域で生活を営むことの意義などについて理解を深めるため、地域の特性や教育資源を生かした職業体験やボランティア活動、地域の人材等を活用した講演会などに取り組むこととしている。

 また、労働に関する知識などにかかわっては、現行の学習指導要領において、中学校社会科では、雇用と労働条件の改善について、勤労の権利や義務などを関連付けて考えさせること、また、高校公民科の科目「現代社会」では、雇用の在り方や労働問題について、国民福祉の向上の観点から考えさせることとなっており、同事業においても、そうした観点から、児童・生徒の実態や地域の状況などに応じて、労働に関する知識などについても、取り上げる場合もあるものと考えている。

― 指 摘 ―

川澄委員 現行の学習指導要領の中で必要な知識、現代社会などにおいて雇用の在り方、労働問題を学ぶ必要があるという話があった。働くことというのはもちろん、職業に対する子どもたちの見方を育てるという重要な視点であると思う。

 今、社会の状況をみていても、正規雇用の拡大とか、ブラックバイトが話題になっている。こういった点についても、やはり働くことは職業観の育成だけではなくて、様々な労働に関する知識または権利等について理解を進めることが、もう一つの側面として必要なものだと思う。

 職業観の育成と、働く際に必要な知識や権利、これが両輪となって、こういった教育が進められていくことを指摘をしておきたい。

川澄委員 推進事業において、地域の企業の皆さんや働く人の力を借りて、地域未来づくり会議を設置する。自治体や地域の産業界から支援を受けながら、研究を推進していくということが明記をされている。具体的にどういった支援を行っていくのか伺う。

赤間高校教育課長 自治体や地域の産業界などからの支援について。各研究指定校においては、それぞれの生徒の実態や地域の状況に応じて実施する、キャリア教育に関する講演会や高校生が住民などと意見交換を行う座談会の実施に当たって、地域の人材を講師として派遣してもらったり、会場を提供していただいたりするほか、地域の資源を生かした職業体験やボランティア活動等において、地域の人たちから協力をいただくなどして、各地域の独自性を生かした取組を実施することとしている。

川澄委員 事業のプロジェクトの一つに「地域ダイスキ!プロジェクト」があると聞いている。この中で、地域の特性や教育資源を生かした取組を小中高合同で行うことになっていると思う。取組例として、提案型、体験型、運営型プロジェクトが例示をされているが、地域においてどのような取組が現時点で計画されているのか伺う。

赤間高校教育課長 地域の特性などを生かした取組について。同事業では、各研究指定校において、「提案型プロジェクト」として、地域活性化のアイデアの提言などを行う取組、「体験型プロジェクト」として、職業の擬似的な体験などを行う取組、「運営型プロジェクト」として、町のイベントにおいてボランティア活動等を行う取組などを実施することを想定している。

 研究指定校から提出された計画書においては、例えば、体験型プロジェクトでは、留萌管内の指定校である留萌千望高校、留萌市立留萌中学校、留萌市立緑丘小学校において、水産加工業などの地元の企業等との連携のもと、高校生が主体となって、小・中学生とともに、擬似的な職業体験を行うことを通して、社会の仕組みを学ぶ体験活動などに取り組むこととしており、他管内の研究指定校においても、それぞれの地域の特性や教育資源などを生かした特色ある実践研究に取り組む計画となっている。

川澄委員 提案型とか様々なことがこの事業では行われる。ただ、同事業に関係なく、例えば、自治体に対し高校生が政策提言を行っていく、または、総合的な学習の時間を使って住民向けに様々な学習成果の発表を行っていく、こういった取組をすでに行っている高校が道内各地にあると聞いている。どのような事例があるのか伺う。

赤間高校教育課長 高校生による地域活性化の提言について。道内の取組としては、例えば、浦河高校で、三年生が総合的な学習の時間に、浦河町議会の議場で「子ども議会」を実施し、各クラスごとにテーマを考え、浦河町の発展や活性化などについて町長に提言する取組を行っている。

 また、常呂高校では三年生が、総合的な学習の時間で、北見市常呂自治区長に対し、地域社会を活性化させるための提言をまとめ、提出する取組を行っている。

川澄委員 本事業に関係なく、取組例にあるようなプロジェクトを実施している学校などがあるかと思う。この中には、いわゆるキャンパス校とか、小規模校が含まれていると考えている。道教委として、これらの学校の取組をどのように評価をしているのか伺う。

相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 小規模校の取組について。小規模校においては、「授業で学んだ技術を生かして事業所のホームページ作成を支援し、地域の魅力を発信する取組」「地域の自然環境や特産物を活用したイベントの開催などを通して、まちづくりを考える取組」「農産物の収穫を手伝うことなどを通じて、地域に貢献するボランティア活動の取組」など、地域の教育資源を取り入れた特色ある教育活動が行われている。

 こうした取組は、生徒の地域理解を促進するとともに、地域に貢献しようとする意欲をもった人材の育成につながるものと考えており、今後、小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業の成果を生かすなどして、各学校の取組が一層充実するよう取り組んでいく。

― 意 見 ―

川澄委員 それぞれの地域において、こういった取組が事業に関係なく進められていくことを期待している。

川澄委員 同事業の最終年度、三年後になるかと思うが、「北海道キャリア教育サミット」の開催を予定していると聞いている。

 同事業の指定校の中に、小規模校が含まれており、小さな学校、小規模校サミットと関連付けて、道教委自らが小規模校を支えていく取組と連携して行う必要もあるのではないかと思うが、見解を伺う。

菅原学校教育局指導担当局長 キャリア教育サミットについて。キャリア教育サミットは、同事業の集大成として、事業最終年度の二十九年十月に開催する予定であり、研究指定校であるすべての小・中・高校から児童生徒および教員などの代表の参加を得て、それぞれの地域で独自に取り組んだ事業内容の報告や、地域の特産物を活用した商品の販売などによって地域のPRを行うことなどを通して、事業成果の普及・啓発を図ることとしている。

 また、この「小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業」の推進に当たっては、学識経験者や、民間企業、自治体、経済団体等の職員などで構成する「北海道キャリア教育推進会議」を設置し、専門的な見地から指導助言をいただくとともに、事務局体制としては、高校教育課を中心に、義務教育課、生涯学習課、新しい高校づくり推進室が連携を図り、各研究指定校の取組を支援していく考えである。

― 指 摘 ―

川澄委員 事業の趣旨とは異なるが、小さな高校も地域とのつながり、一生懸命頑張っている。この事業を通して、地方の高校も「地域との連携を深めて頑張っているんだ」というアピールをする。一つの良いきっかけになると考えている。

 地方にとっても、自分たちの町の高校が一生懸命頑張っている。そして、地元の子どもたちが自分たちの町の高校に進んでいく、そういった形で、最終的には地域の学校が存続することにもつながる可能性もある、地方の高校を支えていく、そういった視点ももってこの取組が進められることを求めておきたい。

川澄委員 「子どもダイスキ!プロジェクト」について、その目的を伺う。

赤間高校教育課長 「子どもダイスキ!プロジェクト」について。同プロジェクトは、高校生と地域の人たちによる「家庭や子育てに関する座談会」を開催するほか、知事部局が主催する「次代の親づくりのための出前授業」などを活用した学習や、同じく、知事部局等が作成する家庭科副読本を活用した学習を行うなどして、郷土で生活を営むことへの興味・関心を喚起し、地域で子どもを育てることの意義などについての理解を深めることを目的としている。

川澄委員 「地域ダイスキ!プロジェクト」と「子どもダイスキ!プロジェクト」の関連性を伺う。

赤間高校教育課長 両プロジェクトの取組について。「地域ダイスキ!プロジェクト」は、地域の特性や魅力を知ることを通して、地域の良さや地域で生活を営むことの意義などについて、理解を深めることを目的としている。

 また、「子どもダイスキ!プロジェクト」については、地域で子どもを育てることの意義などについて、理解を深めることを目的としており、これら両プロジェクトの取組を通して、地域で生活を営み、地域で子どもを育てるなど、地域の未来を担う人材の育成を図ることを目指している。

川澄委員 高校生を対象とした出前授業というものも予定されていると聞いている。このプロジェクトというのは、少子高齢化対策の一環として考えて良いのか見解を伺う。

 また、このプロジェクトは、保健福祉部が実施する「次代の親づくりのための出前授業」と一緒になって行われると聞いている。どういった内容、観点で行われるのか、併せて伺う。

赤間高校教育課長 小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業について。本事業は、家庭生活の大切さや子どもを育てることの意義についての学習や、小学校、中学校、高校間の体系的なキャリア教育に取り組むことを通して、本道におけるキャリア教育の充実を図ることを目的として実施するものである。

 また、保健福祉部が実施する「次代の親づくりのための教育」については、少子化対策の一環として、これから家庭や子どもをもつであろう大学生や高校生などを対象に、本道の少子化の現状やその影響、家庭や子どもをもつことの意義や妊娠・出産に関する正しい知識を学び、理解を深め、自らのライフプランについて考えることができる機会をつくることを目的として、十八年度から実施されている。

川澄委員 将来、道内各地で家庭をもち、子どもを育てることの意義について理解を深めていくとあるが、具体的にどのような姿を想定しているのか伺う。

菅原学校教育局指導担当局長 子どもを育てることなどについて。「子どもダイスキ!プロジェクト」は、高校生などが生まれ育った地域で家庭生活を営むことや、子どもを育てることの意義を考える機会を通して、自らの将来のライフプランについて考えることを期待して実施するものである。

川澄委員 キャリア教育自体が、決められた職業観、すでにあるような職業観とか、または、家族観、家庭観に児童生徒を順応させられる可能性があるのではないか、危惧している。あくまでも今回の事業は多様な職業観とか、家族観、結婚観の一つであるということを考える一つの機会であるのではないかと思うが、見解を伺う。

杉本学校教育監 このたびの事業について。先ほど、担当課長が答弁したとおり、キャリア教育は、一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、「社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程」であるキャリア発達を促す教育であり、このたびの「小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業」は、こうしたキャリア教育の目的に沿って、地域の産業界などの支援を受けながら、小学校、中学校、高校間の体系的な取組を通して、地域の未来を担う人材を育成することを目指しているものである。

 道教委としては、本事業の充実や、成果の普及を通して、子どもたちが、職業人、家庭人、地域社会の一員など、様々な役割を担いながら、自らの役割の価値を見いだし、自分らしい生き方を見つけていくことができるよう、キャリア教育の一層の充実に取り組んでいく考えである。

― 指 摘 ―

川澄委員 地域で働くこと、暮らすことが本道にとって大きな課題であることは先ほど申したとおりである。

 社会が多様化していく中で、今、働き方が多様化している、家族の在り方、結婚に対しての認識、子育てについても様々考え方があるのも事実である。

 こういった中で、それがなかなか思っていても実現できない、そういった状況も今の社会情勢であると思っている。

 教育の場面でこういった取組をする一方、別の部局ともしっかりと連携をした形で取り組んでいくこと、安定して働いていける環境、または、結婚できる環境を作っていくことも重要だと思っている。そういった中で、今回学んだことを通して、子どもたちが自分らしい生き方を見つけていく、そのような中で一つとして、多様な選択肢の中で、自分にふさわしい形の生き方、または、結婚や出産、そういったライフステージの在り方をみつめる、そういう学習の機会になればと思っている。

 そういった点について、学校現場でそれぞれの地域に合った形で進められるよう、道教委としても行っていくよう求める。

◆全国学力・学習状況調査

山崎委員 全国学力・学習状況調査で、習熟度別学習についての実施状況について調査を行ったということを聞いている。本道では、小学校、中学校含めて、どれくらい習熟度別授業が行われているのか伺う。

岸義務教育課長 本道の小・中学校の習熟度別の指導の状況について。全国学力・学習状況調査の学校質問紙調査では、小学校では算数の授業において、「前年度の第五学年のときに、習熟の遅いグループに対して少人数の指導を行い、習得できるようにしたか」という質問項目があり、本道では七三・四%の小学校が行っていると回答しており、全国の五九・四%より一四・〇ポイント高くなっている。

 また、中学校でも、数学の授業において、「前年度に習熟の遅いグループに対して少人数の指導を行い、習得できるようにしたか」という質問項目があり、本道では六六・七%の中学校が行っていると回答しており、全国の四六・一%より、二〇・六ポイント高くなっている。

― 意 見 ―

山崎委員 習熟度別授業の効果として、私が聞いた話では、お茶の水女子大学が研究調査をした結果によると、一定規模の人数によって、確実に効果が表れているという調査結果が出ている。

 ある学校に行って話を聞いたときに、私は算数を見学させていただいたが、効果がある授業は体育だという話を言っていた先生がいた。例えば、水泳で、全く泳げない子と二十五㍍泳げる子、それを一人の先生が教えることを考えたとき、泳げない子を教えるのか、それとも真ん中の子を教えるのか、二十五㍍泳げる子を教えるのかといったときに、もちろん能力のある先生であればできるのかもしれないが、四クラスあれば、四クラスのスケールメリットを生かしながら、一人の先生が泳げない子を四十人集めて、泳げるように教える、二十五㍍泳げる子を集めてもう一人の先生が教える。それを、通常の学習授業の中で導入していくことは、十分可能なことだと思う。

 習熟度別授業について、ぜひともきちっと検討していただきたい。

山崎委員 本道における実物投影機やプロジェクターなどの機器を使っている小学校はどれくらいあるのか伺う。

岸義務教育課長 実物投影機等の活用について。全国学力・学習状況調査の学校質問紙で、「前年度の第五学年のときに、実物投影機やプロジェクターなどを活用して算数の授業を行った」と回答した小学校の割合は、昨年度より六・八ポイント高い八五・六%、国語の授業では昨年度より六・六ポイント高い八八・八%であり、いずれも全国より七ポイント程度高くなっている。

 また、活用の頻度については、月に一回以上活用している学校は算数の授業で五二・九%、国語の授業で四六・七%となっており、半数程度の学校が、月に一回以上は実物投影機などを活用した授業を行っている。

山崎委員 実物投影機の整備について、札幌市の小学校が非常に進んでおり、私の資料によると、三千二百三十四クラスに二千八百九台の実物投影機が整備され、整備率は八六・九%。本道における整備状況はどうなっているのか伺う。

岩渕義務教育課教育環境支援担当課長 実物投影機の整備状況について。二十七年三月現在、札幌市を含めた、道内小学校の普通教室一万一千二百四十一教室に対し、整備台数は五千三百三十一台で、昨年同時期の四千十九台から一千三百十二台増加している。割合でみると、四七・四%、前年の三五・〇%を一二・四ポイント上回り、全国平均の三一・三%より一六・一ポイント高くなっている。

山崎委員 札幌市の八六・九%に対して、札幌市以外の市町村の整備率は三一・五%ということになる。札幌市が三倍進んでいるという状況で、整備状況としては非常に低いという印象を受けるが、さらに整備をする必要性も含めて、今後どのように整備を進めていくのか伺う。

梶浦学校教育局長 今後の整備について。道教委としては、より分かりやすい授業を展開する上で、実物投影機の活用は極めて効果的であると考えており、道教育推進計画では、二十九年度までに小中学校の普通教室への整備割合を一〇〇%にするという目標を掲げている。

 国においては、ICT機器の整備促進を図るため、昨年度から四ヵ年計画で重点的に交付税を措置しているところであり、道教委では、引き続き、こうした地方財政措置の状況を各市町村に情報提供するとともに、計画的な整備を強く働きかけていく考えである。

山崎委員 二十九年度までに一〇〇%にするということは、非常に難しいのではないかという気がする。ICT化に関する整備状況も、札幌市では六二・六%、札幌市以外の市町村、道教委が所管している部分でみれば、二四・七%に過ぎない。効果的に授業が行われるため、道教委は活用普及を積極的にやっていくべきと考えるが、見解を伺う。

杉本学校教育監 効果的な活用方法の普及などについて。ただ今担当局長が答弁したとおり、授業における実物投影機などの活用は極めて効果的であることから、道教委では、これまで、実物投影機などを活用した授業改善に関する指導資料を作成して、すべての小・中学校の教員に配布するとともに、道立教育研究所の研修講座などにおいて、授業などでの活用の基本的な考え方や、効果的な活用方法などを取扱い、教員の指導力の向上にも努めてきた。

 今後は、こうした取組を一層充実させることに加えて、道内の小・中学校を指定して実施している、実物投影機などの効果的な活用について調査研究を行う「ICT活用教育促進事業」や、実物投影機などの日常的な活用を事業内容の一つに位置付けた「学校力向上に関する総合実践事業」などにおける優れた事例を取りまとめた資料を作成し、学校教育指導や各種研修事業など、様々な機会に本資料を活用して、教員の活用能力の一層の向上を図り、今後さらに、道内の学校に実物投影機等が整備され、効果的に活用されるよう普及啓発に取り組んでいく。

(道議会 2016-03-02付)

その他の記事( 道議会)

1定道議会代表質問(28年3月3日) 各学校の適切な指導が必要 高校生の政治的活動

 三日の一定道議会本会議では、校外における高校生の政治的活動について、質疑が行われた。  柴田達夫教育長は、国の通知で、「休日等に校外で行われる高校生による政治的活動等」について、「家庭の...

(2016-03-07)  全て読む

1定道議会代表質問(28年3月3日) 子どもの居場所づくり事業創設 児童虐待防止で知事

 高橋はるみ知事は、一定道議会本会議(三日)で、児童虐待防止に向けた取組について答弁した。  「子どもたちのSOSを確実に受け止め、地域全体で子どもたちを見守る環境の整備を一層加速させ、児...

(2016-03-07)  全て読む

1定道議会代表質問(28年3月3日) 人数要件は他校の基準等勘案し検討 地域キャンパス校再編基準の緩和

 三日の一定道議会本会議では、地域キャンパス校の教育環境充実について、質疑が行われた。  柴田達夫教育長は、道議会文教委員会(二月二十五日)で道教委が報告した地域キャンパス校の教育環境充実...

(2016-03-07)  全て読む

4定道議会本会議の質問・答弁概要(27年12月1~2日)

 四定道議会本会議一般質問(二十七年十二月一日・二日開催)における大越農子議員(自民党・道民会議)、池端英昭議員(民主党・道民連合)、花崎勝議員(自民党・道民会議)、吉井透議員(公明党)、佐...

(2016-03-04)  全て読む

4定道議会一般質問の質問・答弁概要(27年11月30日)

 四定道議会本会議(二十七年十一月三十日開催)における中野秀敏議員(自民党・道民会議)、松山丈史議員(民主党・道民連合)の一般質問、および柴田達夫教育長の答弁の概要はつぎのとおり。 ◆学力...

(2016-03-03)  全て読む

道が1定道議会に条例案

◆教育推進会議と教育支援委 附属機関として設置へ  道は、二月二十六日開会の一定道議会に、道教委の附属機関として、道教育推進会議と道教育支援委員会を設置する条例案をそれぞれ提案した。  ...

(2016-03-01)  全て読む

道議会文教委の質問・答弁概要(27年11月25日)

 道議会文教委員会(二十七年十一月二十五日開催)における加藤貴弘委員(自民党・道民会議)、田中英樹委員(公明党)の質問、および杉本昭則学校教育監、梶浦仁学校教育局長、岸小夜子義務教育課長の答...

(2016-03-01)  全て読む

道議会決算特別委員会の質問・答弁概要(27年11月11日)

 道議会決算特別委員会(二十七年十一月十一日開催)における安藤邦夫委員(公明党)の質問、および柴田達夫教育長、杉本昭則学校教育監、菅原行彦学校教育局指導担当局長、佐藤和彦学校教育局特別支援教...

(2016-02-29)  全て読む

道議会文教委員会(28年2月25日) 5年後に公立学校女性管理職15% 特定事業主行動計画策定で道教委

 道教委の山本広海教育部長は、女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画の策定について、「公立学校における女性管理職について、五年後の三十二年度に現行の約二倍の一五%を目指す」ことを盛り込む考...

(2016-02-29)  全て読む

道議会文教委員会(28年2月25日) 強調月間など通し体力向上推進 杉本学校教育監が答弁

 二十五日に開かれた道議会文教委員会では、道教委がまとめた『二十七年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版結果報告書』にかかわって、質疑が行われた。  杉本昭則学校教育監は、市町村別...

(2016-02-29)  全て読む