研鑚重ね活力ある会に 渡辺会長のあいさつ概要(関係団体 2016-04-25付)
あいさつする渡辺会長
札幌市小学校長会の四月総会・研修会(二十日、ホテルライフォート札幌)における渡辺会長=写真=のあいさつ概要はつぎのとおり。
▽はじめに
札幌市教育委員会は、二十八年度札幌市学校教育の重点において、札幌市の教育が目指す人間像として「自立した札幌人」を掲げ、その実現に向け、各学校・園が子ども一人ひとりの状況等を踏まえ、札幌の豊かな環境を生かし、地域や学校の実態などに即した特色ある教育課程の編成と実施に努め、「知・徳・体」の調和のとれた子どもを育む教育活動を積極的に進めることが示された。
このことは、「自立した札幌人」を目指す「札幌市教育推進の目標」に迫り、市民の学校教育に寄せる期待に応えるべく、校長としての職能向上に努め、本市教育の推進に寄与していくという札幌市小学校長会の運営方針の目指すところとまさに合致するものである。
札幌市立学校の経営責任者である会員の皆さんは、「活動の重点」の第一項にある、「学校経営の充実」を図るために、「主体的に裁量して実行する自主性」と「的確に判断し責任を負う自律性」を発揮する役割が求められている。
当面する取組や課題について、七点にわたってお話する。
▽校長会の役割
小学校長会は、校長としての職能の向上を図り、会員相互の「連帯と協調」のもと、今日的課題に取り組み、事務局研修会、理事研修会、支部研修会、専門部研修会、四月・九月・三月総会研修会、十月の経営法制研修会、二月の研究大会と一連のサイクルで活動することとなる。
十区の支部研修会にあっては、当面する課題について各学校の状況を的確に把握し、必要な研修や交流などを重ね、会員が各校で学校課題の解決に向けて発信することができるよう、より「連帯と協調」をもって取り組んでいただきたい。
七つの専門部研修会においては、様々な教育課題について、これまでの研究の成果の積み重ねを生かして研修を深め、専門的な見地から積極的に発信することによって、会員に還元していただく。
校長会としての、研修の場・交流の場の中心は支部研修会と専門部研修会である。そのためにも、正確な情報の把握と共有が必要で、情報を多面的に分析するとともに、総合的に判断し、会員や関係機関に積極的に発信していくことが重要となる。
また、教育関係機関・民間団体・企業から、出前授業など子どもたちのために協力したいとの申し出や取組が年々増加しており、内容も多岐にわたっている。これは、校長会に大きな期待が寄せられているということであり、今後とも各教育関係機関・民間団体・企業との連携を一層深めていきたい。
▽子どもの安全・安心の確保
児童虐待・いじめ・問題行動等の報道が後を絶たない。また、児童生徒が自ら命を絶つという痛ましい事件も発生している。
子どもの安全・安心について、前年度各校において策定された「いじめ防止基本方針」も含め、各校で様々な方法を工夫して取り組まれているが、各校での実践を校長会で交流し、地域社会や家庭の協力も得ながら、取組を継続・強化していくことが大切である。
また、学校の安全管理および安全指導の徹底にも、日ごろから適切に取り組むことが求められている。とりわけ、子どもの安心にかかわっては、教職員が子どもとのあたたかな人間関係を築き、学校が一体となって具体的な方策を検討し、実践していくことが重要である。
さらに、各学校が自らの所在地や施設条件などの地域特性をかんがみ、より実践的な安全への取組を積極的に取り組んでいくことも大切であると考える。東日本大震災から五年間が経過したが、その復興はまだまだ十分とは言えない状況にある。この教訓を生かし、「想定外を想定する」ことが求められていることを肝に銘じて取り組んでいく。
▽組織体としての学校の教育力の向上を目指した取組
二十八年度は、「道徳の教科化」「外国語活動の充実」「アクティブ・ラーニング」「カリキュラム・マネジメント」など次期指導要領改訂に向けた動きが急ピッチで進められている。新たな教育の動向にアンテナを張りながらも、現在の自校の教育活動をしっかりと見直し、課題と改善策を明確にした実践をしていくことが重要であると考える。
特に本年度も、各校の「学ぶ力の育成プログラム」に基づき、子どもたちの学ぶ力をしっかりと向上させていくことが求められている。「学ぶ力の育成プログラム」の内容・手立てなどをさらに充実させるよう、評価・改善を常に意識していくことで、全国学力・学習状況調査等において課題とされている点を克服していくことへとつながっていくと思う。教育課程編成の主体者である学校の力量が問われる時代となっている。
また、生涯を通じて運動に親しむ基礎を培い、進んで心身の健康の保持増進を図る力を育む健やかな身体の育成は、札幌市の喫緊の重要課題である。改訂された「さっぽろっ子“健やかな身体”の育成プラン」に基づき、各校において「健やかな身体の育成プログラム」を策定し、子どもたちが健康のすばらしさを実感しながら、体力の向上を体感していく取組を一層推進していこう。
各学校においては、校内外での研修・研究をより充実させ、教職員一人ひとりの資質・能力の向上を図るとともに、組織体としての学校の教育力の向上を目指していかなければならない。
▽服務規律の確保
四年前、教職員の服務規律にかかる全校調査が行われたが、依然として、教職員の体罰、交通違反や交通事故、個人情報の紛失等、信用失墜行為が後を絶たない。
学校は、信用・信頼関係を前提に成立している。教職員に対してたゆまぬ指導を続けていく必要がある。
私たち校長も、教育公務員として、学校経営のリーダーとしての自覚をさらに高め、「率先垂範」を心がけていかなければならない。
▽第五十九回北海道小学校長会教育研究「小樽大会」と第六十八回全国連合小学校長会研究協議会「高知大会」について
九月九・十日に、道小小樽大会が、また十月二十七・二十八日には、全連小高知大会が開催される。校長会としても、道小学校長会・全国連合小学校長会との連携をさらに強め、全力を傾注していきたい。会員の皆さんには、支部・専門部から参加者を出してもらい、力を借りることになるが、開催の趣旨と意義を十分に踏まえ、理解をいただきたい。
また、管理法制部には、道小小樽大会における「第五分科会 豊かな人間性」で、札幌市を代表して提言発表をしていただく。小学校長会の底力を発揮して、成功に導いてもらうよう、重ねてお願いを申し上げる。
▽第七十回指定都市小学校長会研究協議会「さいたま大会」について
十一月一・二日に、指定都市研さいたま大会が開催される。前年度開催された京都大会の成果と課題を受けての、さいたま市での開催となる。大都市が共通してかかえる諸問題、県費負担職員からの移行など、様々な情報を札幌にもち帰り、各学校に還元したいと考える。
参加者は市小事務局からであるが、前年度より、次年度以降の市小の活動に還元できるようなメンバーで参加する。
▽校長会の組織およびチームとしての学校の在り方について
二十九年度から予定されている教職員の県費負担から政令市への税源移譲へ向けた措置だが、札幌市教育委員会は二十六年度に調査研究を終え、二十七年度においては「市立学校教職員の勤務条件整備」について大綱妥結に至り、ことし六月二十九日に「県費負担教職員の給与負担等の移譲に関する説明会」が開催される予定である。
校長会としても、校長会の組織の在り方について、全連小の意向を確認するとともに、道小との連携をより深めていくことを目指し、三月総会・研修会で、①今後とも校長会会員は全連小の会員となり、情報収集や情報発信の場を確保していく②札幌市と北海道全体の教育力向上のため、また、全連小の加入は都道府県単位であることもあり、校長会は道小との連携協力を維持する③三十年には第七十回全国連合小学校長会研究協議会「函館大会」があるが、校長会としてもその成功のために一翼を担っていく④今後の派遣役員の在り方、分担金等については、道小の「組織の在り方検討委員会」の考えも受けて、二十八年度中に方向性を示す―の四点を承認した。
また、この機会に校長会自体の組織の在り方も見直していく良い機会と考えている。今日的教育課題に対応できる組織、学校統合等による学校数・会員数の減少に対応できる組織等の課題解決に向け、二十八年度は「組織運営検討委員会」を例年より早い一学期中にはスタートさせ、短期的・中期的な検討を進め、九月総会・研修会には中間答申を出していきたいと考えている。
さらに、札幌市教育委員会において現在検討されている学校事務職員の在り方、二十八年度より本格実施となった用務主任制度等も受け、チームとしての学校の在り方についても、校長会として考えていく必要がある。
▽結び
「不易と流行」の二つの観点から、今後の教育の動向を確実に見据え、学校の果たすべき課題の解決を見通し、自らの教育理念と豊かな見識に基づき、一層の「連帯と協調」のもと情報を共有し、「研鑚」を重ね、「活力ある校長会」を目指して、努力を重ねていきたい。
お互いに健康に留意して、その責務を精一杯果たしていこう。一年間よろしくお願いする。
(関係団体 2016-04-25付)
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