道教育地図研６０周年記念　疑問もち考える授業を　愛知教育大・土屋教授が講演

（関係団体 2016-12-21付）

講演する土屋氏

　道教育地図研究会（永宮愼也会長）は、創立六十周年記念式典（十日、ホテルライフォート札幌）に先立ち、記念講演会を開いた。愛知教育大学社会科教育講座教授の土屋武志氏が「これからの地図と教育～歴史学習における地理的視点」と題し、ワークショップを交えて講演。地図資料を使いながら、子どもが自ら疑問をもち、考えていく授業づくりの大切さを訴えた。

　土屋氏は、社会科に対して、「子どもの活動がない。教師の一方的な講義が行われており、これが、子どものどのような資質・能力を伸ばしているのか」などの声が挙がっていることを紹介した上で、地図資料を活用した授業づくりに言及。

　同じ町の異なる時代の様子を記した二枚の地図を使って、子どもが自ら変化を発見し、その理由を考える授業実践例を挙げ、「〝なぜか〟を考えるのが社会科。それをいきなり行うのは難しい。日ごろから鍛える必要がある」と述べた。

　「何かを発見して、疑問をもたせる。疑問が出てくれば、予想を立てて考えるよう指示する」などといった学習スタイルを解説。これまで地図を活用して行ってきた学習が、このような学習スタイルに当てはまり、それこそが「これからの社会科の学習」と述べた。

　さらに、「未来をつくっていく子どもたちに、これまでと同じことを教えるのではなく、今までとは違うものをつくってみよう、違う視点で考えようと呼びかける。そのためのチャンスを与えることが我々の役割」と訴えた。

(関係団体 2016-12-21付)