釧路市立昭和小で第３回学習会―釧路市教委　授業改善にＡＬの視点を　道教大大学院・水上氏が講演

（市町村 2017-02-20付）

水上氏がこれからの授業づくりについて解説した

　【釧路発】釧路市教委は八日、釧路市立昭和小学校（山内雅恵校長）で二十八年度学校力向上に関する総合実践事業「アドバイザー派遣事業（第三回学習会）」を開催した。市内小・中学校の管理職や教諭など六十八人が参加。授業公開や講演を通して、教職員の指導力の向上を図った。

　同校では本年度から、道教委が実施する「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として、全校が一つのチームとなった包括的な学校改善の取組を推進している。

　この日は、同校が全学級の授業を公開。その後、道教育大学教職大学院（旭川校）の水上丈実教授が「子どもの“分かる”をつくる授業改善～次期学習指導要領の改訂を見据えて」と題して講演した。

　公開授業は、一年生が生活「きたかぜとあそぼう」、二年生が国語「おもちゃ大会をひらこう」、三年生が算数「ぼうグラフと表」、四年生が国語「心の動きが分かるように」、五年生が理科「もののとけ方」。

　六年生は算数「算数のまとめ」を、習熟度別で四学級を六クラスに分けて指導した。

　これに特別支援学級の三学級の授業も含め、二十五学級すべてで授業を公開した。

　このうち、一年三組の生活科の授業では、照井琢司教諭が「昔の遊び」を指導。八班に分かれた子どもたちに、ビー玉、おはじき、お手玉、けん玉、ヨーヨー、だるま落とし、メンコのどれに挑戦するかを話し合わせたあと、昔の遊びを体験させた。子どもたちは互いに教え合いながら、遊び方のコツをつかんでいた。

　このあと、水上教授が講演した。はじめに「〝分かった〟と〝できた〟は同じことか？」と投げかけ、「体育や図工、家庭科などでは分かっていても、できない（しない）、算数ではできているけど、分かっていないということがあるが、自分のものにするには、人から聞いて知っているだけではダメで、自ら学習し体験しなければならない」と強調。

　また、授業づくりに必要な要素の学習規律について、「〝担任が代われば学習規律も変わる〟では、子どもが混乱し育たない。学習規律の共通・一貫・徹底・継続が大切」と述べた。

　さらに、主体的・対話的な深い学びと授業改善について、「ただ活動が伴えば良いのか、ペア学習やグループ学習を盛り込めば良いのか」と指摘し、「そこに深い学びが必要であり、授業改善にはアクティブ・ラーニングの視点を取り入れる必要がある」と強調した。

　このほか、「主体的な学び」や「対話的な学び」、「深い学び」を実現させるための手立てについて説明し、参加者たちはこれからの授業づくりのポイントを学んだ。

(市町村 2017-02-20付)