北広島市教委が小中一貫教育講演会　分離型での実践方法学ぶ　呉市川尻中の二宮校長招く

（市町村 2017-03-15付）

１００人が参加し、小中分離型一貫教育について理解を深めた

　北広島市教委は三日、市内の石狩教育研修センターで第三回小中一貫教育講演会を開催した。学校関係者、ＰＴＡなど約百人が参加。同市が進める地域の特色を踏まえた小中連携・一貫教育の在り方を検討するため、分離型小中一貫教育に取り組んでいる広島県呉市立川尻中学校の二宮肇美校長を講師に招き、すべての教員が一貫した指導を目指す取組について理解を深めた。

　市は、子どもたちの義務教育九年間の連続した学びを確かな成長につなげることをねらって、小中連携・一貫教育を進めている。三十年度に全中学校区への導入を目指している。

　講演会は、家庭、学校、地域が一体となって、「子どもの連続した学び」を支える体制の構築を図り、小中連携・一貫教育の在り方を検討するため実施した。

　冒頭、吉田孝志教育長があいさつに立ち、同市が進める小中一貫教育について、説明会や講演会などを実施してきたことを説明。その上で、講演について、「貴重な話が聞ける良い機会」と述べ、小中一貫教育への理解を深めるよう呼びかけた。

　続いて、二宮校長が「子どもが変わる分離型小中一貫教育」と題して講演した。同校が分離型小中一貫教育を始めたころ、小学校と中学校の施設が離れている分離型では、教員たちから、「目指す子ども像が違う」「長期休暇を活用しないと交流が図りづらい」などと意見が上がり、不安が大きかったと話した。

　教員間や児童生徒との交流が増えると、小学校から中学校へ進学する時に起こる中一ギャップは、「“教員の生徒指導の違いが大きな原因なのではないか”と気づいた」と話した。それを解消するため、教員たちは小・中合同研修会を行っているほか、小・中学校の教員を交換して授業をする「乗り入れ授業」などに取り組んでいることを紹介。「小・中学校で一貫した指導方法ができるよう情報交換を密にしている」と話した。

　最後に、小中一貫教育のポイントについて、「小中一貫教育は目的ではなく手段」「小・中学校の文化の違いを認めて課題を共通認識する」などと紹介。その上で、教員が密に情報共有する必要性を示し、「子どもたちの九年間を支えてほしい」と呼びかけた。

(市町村 2017-03-15付)