松前町の２９年度教育行政執行方針―宮島教育長説明

（市町村 2017-03-17付）

松前町教委・宮島武司教育長

松前町の２９年度教育行政執行方針

小・中でＩＣＴ教育推進

書道教育の充実へ公開研等

【函館発】松前町教委の宮島武司教育長は、二日に行われた第一回定例町議会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。「本年度から、小・中学校を通したＩＣＴ教育を推進していく」ことを表明。タブレット端末を使用し、教育支援ソフトを使ってＩＣＴ教育を実施する。また、国の「教育課程特例校制度」を活用した書道教育の充実に向けて、全道・全国書道展への出展や、公開授業および研究会を開催していく方針などを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり

▼学校教育について

　児童生徒の「学力向上」については、各小・中学校との連携を図りながら、学力向上対策委員会が策定した学力向上アクションプラン「ターゲット２９」に基づき、「教師の授業力向上」と、生活リズムの改善による「松前っ子３リズム」の完全定着を柱に基礎学力の向上に取り組んでいく。

　国の「教育課程特例校制度」を活用した小・中学校の書道教育については、これまでの成果と課題を踏まえ、指導内容の充実を図るとともに、小中高を通した書道の一貫教育の下、書道教育推進会議や各学校と連携し、書の日常化をさらに推進する。

　また、全道・全国書道展への出展や学校における公開授業および公開研究会などを開催し、町内外へ発信する。

　スタートから五年目となる「ふるさと学習」については、各学校に配布している『ふるさと読本』を活用した授業を推進するとともに、「ふるさと応援団」の方々の協力をいただきながら、町の自然や歴史の学習および産業などの体験や町民との交流を実践し、郷土を愛する心を育てることのできる町独自の学習を推進する。

　二十七年度に、新生松前中学校のスタートと同時に情報化社会に対応するＩＣＴ機器を活用した教育環境が整えられた。また、昨年度は、各小学校にもＩＣＴ機器等が導入されたので、本年度からは、小・中学校を通したＩＣＴ教育を推進していく。

　夢と文化を創造し、学校づくりを推進する松前高校は、「書道教育」「松前学」「国際教育」を三つの柱とする教育を進めており、海外から日本に留学している高校生を松前高校に招聘しての国際交流教育活動事業への支援、通学定期券購入費、下宿費および見学研修旅行費に対する補助を継続していく。

　子どもたちのいじめの問題は、ささいな変化や兆候であっても、いじめとの関連を常に意識し、緊張感をもって取り組むことが求められている。

　町では、「子どものいじめ防止条例」を基本に、子どもたちが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくるため、学校・家庭・地域・行政が連携し、それぞれが役割等に基づき、主体的にかつ協働して、いじめの早期発見・早期解決に努める。

▼社会教育について

　インターネットやSNSの普及により個人情報の漏えいなど、青少年を取り巻く環境が憂慮される状況にある。

　地域全体で非行防止と健全育成の取組に向けて、町健全育成連絡協議会など関係団体と連携を密にしながら、ネットトラブル未然防止や、「あいさつ運動」「少年の主張大会」の開催に取り組んでいく。

　町立図書館については、乳幼児・児童対象の読み聞かせ事業などを実施していく。また、昨年度町内で図書に携わる方々によって策定された「子ども読書推進計画」に基づいて、児童生徒等の読書活動の推進に努めていく。

(市町村 2017-03-17付)