北斗市の29年度教育行政執行方針―永田教育長説明 土曜授業活性化へ補助金 ICT機器導入、ALT増員を(市町村 2017-03-17付)
北斗市教委・永田裕教育長
【函館発】北斗市教委の永田裕教育長は七日、第一回定例市議会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。市内の小・中学校で積極的に取り組んでいる土曜授業については、「今まで以上に地域と学校が相互に活性化を図るための補助金制度を試験的に実施していく」と説明した。そのほか、新学習指導要領の対応に向けては、「さらなるICT機器の導入、ALTの増員を計画的に実施していく」と表明した。
執行方針の概要はつぎのとおり
【学校教育の推進】
▼社会で活きる実践的な力の育成
子どもたちが、社会で生きていくために必要な「生きる力」を身に付けるため、二十六年度に市長が掲げた「知の保障プラン」を三年間継続した結果として、一定の成果が得られた。二十九年度には、「知の保障プラン」が北斗市のスタンダードとなり、それが広く浸透するように努力していく。
また、三十二年度から改訂となる学習指導要領への対応として、さらなるICT機器の導入、ALTの増員を計画的に実施していく。
さらに、自ら課題を見つけ、自ら課題を解決していく学習スタイルや、各教科を横断した学習が求められており、それらを指導する教職員の資質向上を図るため、先進地視察補助金の増額や小・中学校での九年間を見通し、共通理解を図るための効果的な研修会を開催していきたい。
土曜授業については、二十七年度から土曜日の過ごし方として、体験学習やふるさと学習等に地域の協力を受けながら実施してきた。二十八年度は、今まで以上に地域と学校のかかわりを深めるために、学校運営協議会を順次設置してきた。
地域の人々が学校運営に直接携わることで、今まで以上に地域と学校が相互に活性化を図るための補助金制度を試験的に実施していきたい。
特別な支援を要する子どもたちについては、子どもの数が減少する中でも、増加傾向にある。子どもの特性を生かすために、個々に応じた指導、関係機関との連携などに努めるとともに、二十九年度に開校する特別支援高等学校との連携を深め、対応していく。
▼豊かな心と健やかな体の育成
二十七年度に策定された教育大綱の中では、コミュニケーションの基本となる「あいさつの大切さ」について記述されており、二十八年度において重点事項として取り組んできた。二十九年度についてもさらなる指導を進めていきたい。
そのためには、就学前における家庭での「おはよう」から「おやすみ」までの基本的なあいさつの習慣が重要でありますので、保護者の皆さんにも協力をお願いしたい。
二十八年度の全国体力・運動能力、運動習慣調査の結果では、小学校男女においては全国平均を上回る結果だったが、中学校男女においては改善傾向にあるが全国平均を下回っている。
学校教育において、幼稚園や保育園との連携や子どもたちに運動することの楽しさや健康の重要性を正しく伝えるための授業改善に取り組んでいく。
また、市の子どもは、中程度の肥満の割合が多い状況で、日常における生活習慣の改善や通学における自動車での送迎についても考慮していく必要がある。
▼信頼される学校づくりの推進
子どもへの学習指導、生徒指導を行う上で、子どもや保護者との信頼関係の構築は不可欠で、意思疎通ができていない状況での指導はトラブルになることを認識し、児童生徒や保護者の思いをくみ取り、綿密な連携を図っていく。
また、道内では教職員による飲酒運転をはじめとする問題が増加傾向にあり、信頼が薄れてきている。市においては、飲酒運転を含む重大事案についての事例はないが、規範意識の確立についてより一層の指導をしていく。
学校教育施設については、多くの学校が建築から二十年以上経過している。長寿命化を図るために計画的に改修工事を進めていく。また、学校給食共同調理場においても、大規模な調理機器の入替を実施していく。
【社会教育の推進】
▼北斗市らしい生涯学習社会の実現
今後、社会教育活動を推進していくためには、市民ニーズに即した活動に加えて学校教育との連携を密にして、学校教育ではできない教育を社会教育が担っていく必要がある。
そのため、地域とのかかわりを大切にし、市民相互のつながりを広め、学習で得た知識や経験を地域の活性化や子どもたちの成長に生かせる環境づくりを進めていく。
ふるさと教育については、子どもたちが市の良さを認識し、愛着をもつために、学校教育における学習や社会教育における「ほくと学ジュニア検定」「ふるさとかるた」の普及を実施している。その結果として、第二次総合計画策定に伴う中学生へのアンケートにおける市の印象の分野において、一般調査を上回るプラス評価を受けるなど、成果もみえてきている。今後も重点事項として取り組んでいきたい。
(市町村 2017-03-17付)
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