今金町の２９年度教育行政執行方針―田中教育長説明　小中高一貫のキャリア教育検討　道徳教科化へ研修機会を設定

（市町村 2017-04-13付）

今金町教委・田中俊一教育長

　【江差発】今金町教委の田中俊一教育長は、町議会定例会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。学校教育では、コミュニティ・スクール制度を種川小学校に導入し、学校運営協議会を設置する方針。新たに「道徳」の研修機会や「先生のための社会科見学の日」を設けるほか、桧山北高校との小中高一貫したキャリア教育を検討することとした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の充実

▽確かな学力の育成

　「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指し、学習指導法の工夫改善を進めるほか、ＩＣＴを活用した授業づくりなどを推進していく。町学習スタンダードの作成や小・中乗り入れ授業などの指導形態の工夫、学力向上サポート事業を継続していく。

▽道徳教育の充実

　「特別の教科　道徳」についての研修機会を設けるとともに、小中の連携を強化していく。

▽特別支援教育の充実

　特別支援教育支援員を引き続き五人配置し、体制の充実を図っていく。今金中学校に配置の支援員一人を桧山北高にも週二回派遣するなど、特別支援教育分野における連携についても取り組んでいく。

▽キャリア教育の推進

　組織的・系統的な小中連携したキャリア教育を推進していく。桧山北高との小中高一貫したキャリア教育の在り方を検討していく。

▽コミュニティ・スクール制度の導入

　種川小においては小規模特認校制度の推進を図るとともに、特色ある学校づくりを進めていく。保護者や地域住民の参画のもとで学校を運営する学校運営協議会を設置し、地域とともにある学校づくりを進める。

▽信頼される学校づくりと教職員の資質向上

　地域の教育資源を知ってもらい、授業での活用を図ることを目的とし、「先生のための社会科見学の日」を実施し、地域人材を育てる教職員の意識向上につなげていく。

▼社会教育の充実

▽大学・教育関係機関等との連携推進

　学びのパートナーである北翔大学芸術学科・ライフデザイン学科との連携を深め、町の女性からいただいた着物のリメイクを学生が手がける「レディースＫＩＭＯＮＯプロジェクト」事業を実施していく。

▽成人教育の充実

　ニュージーランド中学生派遣事業の引率を兼ねた町青年会議海外派遣研修事業への支援を通じて、青年層の広い視野をもったリーダーの育成を図っていく。

▽文化芸術の振興

　自治制施行百二十年記念事業として札幌交響楽団によるコンサートをはじめ、道立美術館展「ぐるっと美術館地域推進事業」を実施し、貴重な美術作品の鑑賞機会とする。「朗読劇あん」公演事業は、命の大切さを学ぶ貴重な機会となることから、中学生の部と一般の部の二公演とし、図書まつりと関連付けた効果的な運営を図っていく。

▽文化財保護の振興

　ピリカ旧石器文化館の展示パネル・映像コーナーを一新する。全国的にも数少ない旧石器文化の発信拠点として、その文化的価値と独自性を打ち出し、教育文化施設としての機能をより一層高めていく。

(市町村 2017-04-13付)