当別町29年度教育予算編成の概要 最重要施策は小中一貫教育 小4以上でデジタル教科書導入
(市町村 2017-04-13付)

当別町本庄幸賢
当別町教委・本庄幸賢教育長

 当別町教委の本庄幸賢教育長は、第一回町議会定例会で二十九年度教育予算編成の概要を説明した。骨格予算編成のため、現時点での教育行政執行方針を示したもの。二十九年度から開始する小中一貫教育を最重要施策とし、小学校四年生以上でのデジタル教科書の導入、アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善、チーム・ティーチングなど、授業改善に取り組む。また、コミュニティ・スクールの設置について、「二十九年度早々、各学校に設置準備室を立ち上げ、十月を目途に導入する計画」との考えを示した。

 教育予算編成の概要はつぎのとおり。

【教育行政に臨む基本姿勢と最重要施策】

▼小中一貫教育にかかる具体的取組

▽確かな学力(知)の育成

 教科系統表によって九年間を意識した系統的な学習や、ICTを活用した発展的な学習指導を行い、効果的で分かりやすい授業を展開する。特に、デジタル教科書を小学校四年生以上の国語、算数で導入し、学力向上につなげる。

 二十八年度に小学校、中学校合同研修を行い理解を深めてきた「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善について、教員には積極的に授業に取り入れるよう指導していく。

 小学校教員の中学校、中学校教員の小学校への乗り入れ授業を積極的に行う。また、個に対応した指導を進め、習熟度別や少人数、チーム・ティーチング授業を実施できる体制をとるため、二十八年度の算数・数学に加え、二十九年度は英語でも一貫教育推進講師を二人配置する。

 放課後学習会、土曜学習会、長期休業中の学習支援を充実させる。特に、中学生の土曜学習会においては、民間講師による講習を行うなど、取組を強化していく。

▽豊かな心(徳)の育成

 小学校、中学校ともに教科、道徳を柱とした、九年間を見通した計画的取組によって、教育課程全般で「心」を育てる取組を進める。

 小学校、中学校において情報を共有し、九年間切れ目なく児童生徒を見守ることによって、不登校やいじめなどの未然防止を図る。また、小学校、中学校共通した授業規律によって、安定した教育を展開できる環境を保つ。

 教育課程全般で人権に関する学習を行い、より良い人間関係づくりを進め、いじめ防止等につなげていく。また、人権擁護委員による「人権教室」も各学校で開催する。

 引き続き小学校、中学校合同芸術鑑賞を実施し、本物にふれることで心を育てる。

▽健やかな体(体)の育成

 新体力テストの結果をもとに立てられる各校の体力改善プランについて、教科体育や食育、一校一実践の取組、行事、コーディネーショントレーニングの導入など、教育課程全般で体力向上を図るよう、また、小学校・中学校間での情報共有を進め、九年間を見通した体力向上策とすることなど学校への指導、助言を強めていく。さらに、スポーツ推進委員や授業への講師派遣など、具体的支援にも取り組んでいく。

▽学校運営協議会(コミュニティ・スクール)の設置

 学校と地域が力を合わせて子どもの成長を支援する仕組みとして、各学区ごとに学校運営協議会を設置する。二十八年度中に学校管理規則を整備し、二十九年度早々、各学校に設置準備委員会を立ち上げ、十月を目途に導入する計画である。この協議会を活用し、地域に開かれた、地域とともにある、地域の元気の核となる学校をつくっていく。

▼小中一貫教育以外の主な施策

▽特別支援教育支援員の増員

 特別支援を必要とする児童生徒が年々増加してきている。それに対応するため、支援員の増員を図る。二十九年度は各中学校二人とし、将来的には小学校も二人とする計画である。

▽校務支援システムの導入

 全道共通の校務支援システムを導入し、教職員の業務を改善し、児童生徒と向き合う時間を確保する。

【社会教育】

▼学校を核とした地域力強化プラン事業による児童生徒、学校への支援

 児童生徒への支援として放課後学習会や土曜学習会、小学生の英語体験を充実させる。

 特に、中学生の土曜学習会においては、民間講師による講習会を行うなど、取組を強化していく。

 また、学校支援として水泳やスキー、柔道などの授業や読み聞かせ、茶道などへの講師派遣を継続して実施する。

【子ども未来】

▼幼児教育と小学校教育の接続の推進

 幼稚園・保育所と小学校の情報共有、外国語活動等の接続、園児・児童の交流、職員交流等、小学校への入学がよりスムーズになるよう取組を進めていく。

 子ども発達支援センター、子育て支援センター、福祉部局など、関係機関が情報の共有を図り、連携しながら小学校入学に向けた切れ目のない支援を行っていく。

▼放課後児童健全育成事業(子どもプレイハウス事業)の推進

 二十九年度は、①安心安全に過ごせる環境づくり②集団生活を通じた自主性や社会性の涵養③学習習慣の定着―の三点を重点に実施する。実施に当たっては、学校との連携をより強めることや、指導員の資質向上を図ることに留意する。

(市町村 2017-04-13付)

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