湧別町の第2期総合計画 中高一貫教育の充実図る 英語教科化に向けた取組も
(市町村 2017-04-14付)

 【網走発】湧別町が策定した「第二期総合計画」では、〝教育文化〟について、湧別高校と町内三中学校における中高一貫教育の一層の充実や、外国語活動の必修化、英語の教科化に向けた取組を進めていくことを盛り込んでいる。計画期間は、本年度から三十三年度まで。「人と自然が輝くオホーツクのまち」をテーマに、〝基盤整備〟〝産業振興〟〝社会福祉〟〝教育文化〟〝協働・行財政〟の五つの大綱ごとに施策を示している。

 〝教育文化〟の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼現状と課題

 これまで、小・中学校の教育施設や教材の整備、情報化時代に即した教育設備など、教育環境の充実に努めてきたが、町民アンケートでも概ね六割が満足あるいは普通と回答しており、引き続き整備を図っていく必要がある。

 また、学校は児童生徒が一日の大半を過ごす学習活動の場であり、災害時においては地域住民の避難場所として指定されていることから、学校施設の安全性を確保するため、改修などの維持補修を進める必要がある。

 いじめや不登校、登下校時に犯罪に巻き込まれる事件の発生が大きな社会問題となっていることから、いじめや不登校などの問題行動の未然防止と早期に問題解決するための教育相談体制の充実に努め、学校、PTA、地域、行政が連携した安全教育の徹底と安全対策の推進が必要となる。

 各学校については、児童生徒が減少する中、地域の理解と情報および認識の共有を図りながら、小中一貫教育やコミュニティ・スクールの導入に向けて検討する必要がある。

 障がいのある子どもの教育は、子どもたちが積極的に自立し、社会参加していくために、状況に応じた適切な教育を行うための支援体制を整備していかなければならない。そのため、支援を必要としている児童生徒が適切な教育を受けられるよう、小・中学校のみならず、保育所、幼稚園、高校や特別支援学校などと連携した個別の支援を行う必要がある。

 町では、十七年度から全道初の旧湧別町と旧上湧別町による行政枠を超えた中高一貫教育が導入され、計画的かつ継続的なSTCキャリア教育といった特色ある教育が展開されている。今後はさらに連携が深まり、特色ある教育の推進が図られるよう支援の拡大が必要となっている。

 町の唯一の道立高校である湧別高の魅力ある学校づくりのため、今後も存続対策を継続するとともに、支援策の拡充の検討が必要となっている。

 幼児教育については、町内の私立幼稚園一園に対して、現在は運営費、保育および施設整備費の助成を行っているが、幼児の健やかな成長を推進する環境づくりのため、継続した支援が必要となっている。

 学校における、子どもたちの教育を担う教職員の住宅は、定期的な人事異動が行われる小・中学校の教職員には、欠かすことができないことから、教職員住宅の適切な維持整備を継続する必要がある。

 二十三年度から小学校第五・六学年において、年間三十五時間の外国語活動が必修化されており、政府において、将来、小学校第三・四学年での外国語活動必修化および小学校第五・六学年において英語の教科化が検討されていることから、小学校における外国語指導助手による指導の充実が必要となっている。

▼基本方針(まちの将来像)

▽幼児教育

 幼児教育を実施する施設が町内に設置されている。

▽小・中学校教育

 児童生徒一人ひとりが、確かな学力と豊かな感性を身に付けることができる教育活動が行われている。

▽高校教育

 魅力ある教育を展開する高校が町内にある。

▽教育施設

 児童生徒が安全・安心に教育を受けることができる施設が整備されている。

▼主要施策

▽道徳教育の推進

 児童生徒の規範意識や倫理観、生命を大切にする心や思いやりの心を育むことに努める。

▽教材・教具および情報機器の整備・更新

 計画的な整備・更新に努めるとともに、図書館との連携による学校図書の充実に努めていく。

▽就学援助の実施

 就学援助制度を周知し、経済的に就学困難な児童生徒に対し、就学援助を行う。

▽通学費の支援

 遠距離通学者に対する通学費支援を継続する。

▽特別支援教育の充実

 特別支援教育支援員を配置し、障がいのある児童生徒に対する支援の充実と、障がいのある児童生徒のための就学指導に努めていく。

▽児童生徒の健全育成

 家庭や学校、地域の連携を強化し、指導の充実を図っていく。

▽教育アドバイザー配置

 いじめ、不登校などに適切に対応するため、教育アドバイザーを配置し、教育相談体制の充実を図っていく。

▽幼児教育

 私立幼稚園の経営安定と保護者負担軽減のため運営費、保育料および施設整備費の補助を行う。

▽国際理解の向上

 外国語指導助手の招へい事業を推進し、英語の語学力向上と情報化・国際化への適切な対応を推進する。

▽教職員住宅の整備

 教職員住宅の適切な維持整備に努める。

▽教育施設の充実

 老朽化した校舎などの改築または大規模な改修を行う。また、施設の維持補修を計画的に実施する。

▽中高一貫教育

 湧別高校と町内三中学校との中高一貫教育による連携を一層深めていく。

▽湧別高校存続対策

 湧別高校の存続対策事業を継続するとともに、地域に開かれた特色ある学校づくりを支援していく。

(市町村 2017-04-14付)

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