道小・道中・道公教が文教施策要望　人的配置など条件整備を　学校支援体制の確立へ提言も

（関係団体 2017-05-15付）

道教委を訪問し、要望書を手渡した。左から、村上学校教育監、角野会長、古谷会長、笹川会長

　道小学校長会・道中学校長会・道公立学校教頭会は十二日、道教委に対して、「北海道文教施策・予算策定に関する要望書」を提出した。道小の角野誠会長、道中の古谷雅幸会長、道公教の笹川恒春会長が道教委を訪れ、村上明寛学校教育監に要望書を手渡した。授業時間数増加に見合った教員数確保、専科指導のための正規教員加配など、教員の人的配置を中心に求めた。道小と道中は、「今求められている教育の実現に向けた教育条件の整備についての提言～〝チーム北海道〟として」を併せて提出。多様な学習活動に対応できる教員等の確保、プログラミング教育・外国語教育にかかわる教材教具等の整備、学校と地域との連携を推進する〝地域連携担当職員〟の導入などを求めた。

　要望書は、三十年度の文教施策・予算策定に当たり、①学校経営の一層の充実と教育課程の推進および教育条件の整備・改善②教職員の資質の向上を図る研修の促進と内容の充実、強化③意欲をもって職務に専念できるよう、教職員の地位および待遇の改善④教職員の福祉および再雇用や退職後の生活安定の確保⑤国、道の施策として関係諸機関への働きかけ―の五つを柱に提示。

　①では、「子どもと向き合う時間の確保にかかわる諸問題の取組や教員の時間外勤務等の縮減に向けた取組のより一層の推進」「新年度スタート時の加配・期限付教諭の確保および産休・病休等に伴う臨時的任用職員の早急な確保」などを要望。教育課程の編成・実施・充実に向けて、「授業時間数の増加に見合った教員数の確保」「英語・理科等の専科指導のための正規教員の加配や講師等の人的配置」などを求めた。

　また、いじめや不登校の事案に対応するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充、特別支援教育の円滑な推進に向けて、「通常の学級における特別支援教育支援員の配置数の拡充と待遇改善」「インクルーシブ教育システムの理念を具現化する環境整備の充実」などを要望。

　外部指導者導入に伴う諸条件の一層の整備促進など、部活動等の条件整備についても求めた。

　②では、教員免許更新時講習・中堅教諭等資質向上研修対象者が複数いる学校への柔軟な対応、後補充の非常勤講師の確保など、教職員の研修促進と指導力向上制度の効果的な運用などを提示。

　③では、校長定年延長の早期実現、校長採用、教頭昇任の意欲を喚起するための精査を踏まえた条件整備などを要望した。

　④では、メンタルヘルス対策への配慮などを示した。

　また、道小と道中が共同で提出した「今求められている教育の実現に向けた教育条件の整備についての提言～〝チーム北海道〟として」では、①次期学習指導要領の趣旨を生かした授業構築に向けた教育条件整備②チームとしての学校の実現に向けた教育条件整備―を挙げた。

　①では、「すべての教科等や諸課題に関する資質・能力に共通する三つの要素の再整理」など、三点への検討項目を示し、多様な学習活動に対応できる教員等の確保、教員の定数確保に向けた体制整備、プログラミング教育・外国語教育にかかわる教材教具等の整備などを提案。

　②では、学校が抱える課題の複雑・多様化、いじめ、不登校など生徒指導上の課題への対応に向けて、学校の教育力・組織力の向上、地域との連携・協働体制の強化のための教育条件整備を提案。「管理職の補佐体制充実のための加配措置拡充による主幹教諭の配置の促進」「学校と地域との連携を推進する〝地域連携担当職員〟の導入」などを示した。

　要望書と提言を受け取った村上学校教育監は、内容を十分に検討し、後日回答する意向を示した。また、校長会や教頭会と連携を深めて取り組んでいくとした。

(関係団体 2017-05-15付)